二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【クイズ】ボカロ曲を好き勝手に【企画】 ( No.273 )
- 日時: 2011/11/05 10:10
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
ねえ、世界って理不尽だよね。
#02 前を向きはじめる
教室は静寂に包まれた。私と彼女との間には、何もないから。関係なんてもってない。他人どうしのお話。
「歌う元気はないけど、うん、くだらない。みんなさ、今でも唾液まみれの噂をにちゃにちゃにちゃにちゃ、既に味のないガム頬張って、私に突きつけるんだよ」
彼女は俯いたままだったけど、私の言葉に返事をくれた。……他人だから、言える事かもねえ。
声も、泣いている様子が表れている。そのまま彼女は発する。
「私は何も悪くないのに。泣いてしまう事が、嗚咽をあげる事がだんだんクセになっていってる……」
顔を手で塞ぎ、泣き顔をこっちに見せない様、涙を流すAさん。
「……ふうん。じゃあさ、私と『おともだち』にならない?」
誰でも良かったんだろう。彼女は明るい表情を顔に出した。彼女の隙を突いて、優越感にひたひた浸り。
私も誰でも良かった。一人ぐらい横に友達が欲しかった。『おともだち』からでいいから、誰か守ってみたかった。
そんな腐れた外道。道を踏み外したくせに、まだ人と関わりたいって思ってる。まだ優越感に浸りたいって思ってる。
彼女は嬉しそうだった。——腐れ外道なんかにほだされたりしてる。
ある事ない事ばっか。デタラメばっかで作られた、人の大好物な甘い甘い悪意の入ったチョコを舐めて、喜んでいる。嗚呼、私には甘すぎて食べられないね。
噂の真偽はどうあれ、それに色々悪意の入った添加物を加えて、また甘くする。そして、人にとって美味い餌をあげて、また噂を拡大させる。
綺麗ごとを言う道徳の授業はどこか嘘くさくて、気に入らなくて。人がよく口にする、甘い甘い、それはもう添加物だらけで甘すぎるくらいの蜜を啜り舐めているのが真実とみなして。これが現実だと言って。
やっぱり綺麗ごとばっかりじゃないと思うんだ。実際はもっと穢れてると思うんだ。でもそんな中で穢れすぎているとも思ってて、もっと道徳の授業の様になればいいのに、って願ってる。
——ああ、なんだ。あなたもかい? え、私? そりゃあ、私もそうだよ。……まあ、そんな事しちゃったら、穢れている私は消えちゃわないといけないんだけど。アンタも既に汚れてるね。色々言われたから。
なーんか、安直だよね。いい加減すぎて、溜息が出る。