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　ねえ、私はもう光の中で歩きたいの。


＃02　願

　
　あなたに、私に、首を絞められる夢を見た。必死に抵抗したけれど、あなたの力は弱まってくれなくて、もうだめだと諦めて、眠ろうとしたその刹那に戻ってきてしまった。
　どうしてだろう。自分でやっている事なのに、自分でやっている事が分からない。私の中の私が暴れちゃってるような。諦めたあの時の私と、生きたいと思っている私が、曖昧に混ざってこの場所で立ち止まっている。
　こんな暗い場所にはもう居たくないのに。傷なんてつけたくないのに。光に向かって歩きたいけれど、それは現実にはなってくれない。まだ、他人を怯えている私がいる。
　——ああもう、どうしてよ。幻まで見るのに、思っても行動できない。臆病者な自分が嫌になる。
　本当に、もう。ブラックロックシューター、あなたさえここで笑っていたらこんな事で戦ってなんかなかったのに。ただ楽しく、皆で笑い合ってたあの頃を思い出しては、幼かった私たちを今の私たちに置き換えて、夢を見て、涙を流して溜息を吐き出す。
　ずっと望んでいるのに、いつからだろう、人が嫌いになったのは。今じゃその人さえも恋しいのに、ブラックロックシューター、あなたが許してくれないのよ。　
　私に頼らないでだなんてあなたなら言いそうだけれど、でも動けないの。怖がりな私は暖かく背中を押してくれるあなたが居てくれなきゃ歩けない。　　
　人とだなんて関われないよ。親友に裏切られて、ずっと怖いの。痛みならあなたも知ってるんでしょ、ブラックロックシューター。だからあなたはまだ暴れてるんでしょう。


　あなたが暴れている世界の中で、ずっと夜のこの暗い世界の中で、私は闇を駆ける星に願うの。お願い、ブラックロックシューター。もう一度だけ、前を向いて走りたいの。真正面からあの子と向き合いたいの。ねえお願い、あなたと一緒に行きたいの。

「あの頃に、戻りたいから」