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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.40 )
- 日時: 2011/04/02 14:42
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: 6sz9.CTE)
幻想から、離れなければいけない。
#03 これが正解
私が、誰かが作り上げただけの、偽りの幸せならばもう要らない。例えそれが、将来この先ずっと傷になって痛みを帯びるとしても、この先ずっと一緒に居るとしても、真実が欲しい。君は誰を好きなのか、君は私の事が、好きなのかって。そういう真実。今まで見てきた幻想は、もう手放さなければ。
君に会いに行こう、やっと決めたんだ。雪が段々溶けてきて春が来るこの三月に言わなければ。「会いたい」って言う一筋の想いだけが、心に降り積もる。だから、だから。
「私は、貴方の事がずっとずっと好きでした」
彼は立ち止まる。ちなみに放課後の教室です。誰も居ません。誰か居るなんて考えたらもう怖い。いつ誰に言いふらされるか。と心の中で思い、言葉を続ける。
「心が砕けた事もありました。君を見れない時もありました。ずっとずっと言おうと思ってました。でもチャンス見逃してました」
ああもう、何が言いたいんだ私は。赤面するのは後からだ、もう勢いに任せてしまえ!
「貴方は、私の事が好きですか……?」
有り得ないと自嘲の微笑みを向けて言う。私の言葉の後に、沈黙。だろうね。人生でこんな恥ずかしい事ないし。
「好き、だよ」
心の中で歓喜。顔が自然に綻ぶのが分かった。——でも。え? でも?
「友達としてしか見れない。今まで普通に接してきたし、いきなり好きって言われてびっくりした。ごめん」
まあ、そんなもんだよね。仕方ない。
でも、これを私は望んだんだ。彼の本性を知る事。悪い意味じゃない、良い意味で、って事だ。
私と君の関係性は一気に散った。花びらは限界を迎えた。
「すっかり春だなぁー」
涙が浮かぶ目を放って置いて、春風に吹かれてみた。
end / STEP TO YOU
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