二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【リク曲】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.437 )
- 日時: 2012/10/04 21:16
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: yWjGmkI2)
- 参照: グロリアス・ワールド │ いじめの部分を描写する挑戦
廻っていく日々。目に見えるそれは死んでいる様だ。
#02 喧騒、ひとりの「私」に囁く。
いつからだろう。私の目の前にあった世界が崩れていったのは。私の話を聞いてくれる人が去ったのは。
考え出したら止まらなくて、過去のことを思い出せば泣きたくなるのだ。泣き顔を晒せる人なんていなく、ただただ机に突っ伏して堪えるだけなんだけど。
ギター持って、バンド組んで、笑って。その次に出るのは、部活中に向けられた白い、冷ややかな目だった。
「誰かさんって、ホント酷いよねぇ」
「喧嘩、したんでしょ? 自分が部活で一番上手いからって」
「どうせ部活なんだし、誰かがちょっと下手なくらいで、大したことないのにね」
「いっつも上から目線って感じする」
今日も明日も聞こえてくる声。ただの「噂話」に嫌気が差す。
一日黙って堪えて泣いて過ごす。それを繰り返している。不本意に。 帰り道をふらふらと歩く。大したことをしたわけじゃないのに、疲れてしまった。
ああああ、もう。想像以上の速度を出して、頭でぐるぐるぐるぐると、ひたすらに廻るこの苛立つ感情。何度も同じ言葉を心の中に吐いては、はっきりと言えない苦しさで、加速しながらぐるぐるとまた廻っていく。
駅のホーム。相変わらずの人ごみ。見かけたイスはなぜか全席が空いていた。珍しいこともあるもんだ、と、私はそのイスに腰掛ける。
どんどん、削られていく。私の音も、私の言葉も、私の体も、私の存在も。色々な方法で傷ついて、むきだしになってしまったこの心臓。それでもまだ居られるのは、まだ私が全てを好きだから。私は私が好きで、私は世界が好きで、私が未来が好きで、私はまだ人が好き。
正しくない陰口と曲がった心には苛立つけれど、加速する感情よりも大きな愛情が、私には分かるから。
だから、尚更のこと、私は。いつからか芽生えていた、けれど確かに感じていた衝動を受け止めて、未来に夢見ているのだ。
——いつか、檻から出てみたいの。
iphoneを握り、ツイッターというはけ口に息を吐いた。
ふと、電車が止まる音が鳴って顔を上げる。その瞬間、世界は黒くなった。