二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.45 )
- 日時: 2011/04/15 18:29
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: W6MelwHU)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?447086
不安不安不安。重ねて割れそう。
#02 下向きなんです
あれは幻なんだろうかと思った。横断歩道の先に、僕の化身が笑っている。まるで、僕を嘲笑っているかの様に。だけどピエロは、泣いていた。僕の化身は、何を思ってか目から水を溢れさせていた。
何も考えずに学校に向かっていたのに、ここで躓いてしまった。無意識に気付いた時には、どこかで躓いている。何も考えてなかったのに。
僕の視線がピエロに釘付けになっている時に笑い泣きをしている化身は僕に指を差した。僕は何をしたっけな、と考えてるうちに信号が青になったので渡った。横断歩道のボーダーに足を踏み入れた所で、ピエロは消えた。
まあ、いいや。多分錯覚か幻覚かもしくは妄想のしすぎで何かが現れたんだ。
錯覚で幻覚で妄想なのに、現れたって、凄い矛盾。心の中で自分の言葉を嘲笑して、思考する。
言葉を重ねるにつれ重なっていくパラドックス(矛盾)に、そのパラドックスで出来た出来立ての不安を更に重ね、自分の失敗を優しく包んでいく毎日。
今の言葉だって、学校で言ったら笑われる筈。だからこそ不安を嘲笑に変えて自分を守る。
突けば割れそうな程に、僕は張り詰めている。誰も来ないで、って言っている。
あーあ、カッコ悪いなー。なんて。
カッコ悪い僕は、カッコ悪く下を向いて歩いてく。今だって無意識に下を向いて歩いていた。
人と顔を合わせたら笑われそうで、人と喋ったら笑われそうで、様々な不安が交差して、僕を人間恐怖症にした。
そういや、僕はどこに向かってるんだろう。目的もなくただただ学校に行っているけれど。僕は何がしたいんだろう。そんなふとした疑問の答えさえ求めず、ただただ歩き続ける。
誰も居ないんだから、こんな時ぐらいは前を向こうと前向きになってみる。
けど、太陽が眩しくって前が見えなかった。
——僕って、根っからの下向き人間なんだなあ、と。
痛感。
「ホント、カッコ悪い……」
また自嘲し、下向きで進んだ。