二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.5 )
日時: 2011/03/17 22:59
名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: j553wc0m)

 自由なんて、無いし、必要とも思わない。


#04 こんなもんだよね


 時々、絶望してフェンスに凭れていたあの時を思い出す。今は何とか暮らしているけれど、昔の自分じゃ、絶対に無理だった。何がと言われれば何もかもがとしか言えないのだが。

 目を凝らしても明日は見えない。実際見たくもないけど。明日を見ても、どうせ無いんだ。無いけど今だけは。自由を、この手に。
 本当に愛されているか分からない愛の形を威張って、高い地位を貰って威張って、名誉を貰って威張って、自慢だらけの人生の何が面白い?
 そんな自慢するためだけにある愛と地位と名誉なら要らない。自慢するなら、今のままで良い。ただただ服従するだけで良い。
 まだ解き放たれてないけど。解き放たれるその時まで、今は、ただただ我慢するんだ。

 そう、あの時僕は悟った。今のままでは意味がない。だけど、思い切り変わったら余計意味がない。


 自由と服従を割り切って、裏と表を交ぜて暮らしていくんだ。外に出る時は出来るだけ強気に、前向きに。見られてない時は絶望しても、泣いてもいいから。
 死ぬ事を望むのは馬鹿らしい。生きる事は嫌だ。大変だし、傷つくし、でも、それでも死ぬよりはマシだ。
 
 ——あの時見た花畑は、きっと僕の愛した人が最後に見た世界なんだろうと僕は思った。僕が穴から顔を出したら、世界はきっとあの綺麗な世界なんだろう。

 「僕も、あいしてる」

その綺麗な世界を見れるまで、僕は『生きる』を選び続けるんだ。



end / アント