二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 『メルト』〜それぞれの想い〜 ミクの恋(成功編) ( No.1 )
日時: 2011/03/07 21:45
名前: 亜里抄 ◆r7Y88Tobf2 (ID: 4Mwjpboz)

第一話「君と私」

朝は、いつものように目を覚ます。
元気のない体を、一生懸命に動かして、君の事を考えて。
だけど、今日はいつもとちょっと違う。
朝七時五十分。いつもは八時起きだけど、今日は八時十分前に朝の支度が終わってる。
何故なら今日は、大好きな君と、デートなんだから!
いつもと違う服装、髪型にしようって決めて、七時に起きた。
家を出る前に鏡を見る。

「あ、あぁぁぁっ! 何でお気に入りの髪飾りじゃないの!?
もうっっ! 私のバカバカバカァァァァァッッ!」

鏡の前で大声を出す。
大好きな、大切な君とのデートだって言うのに、お気に入りの新品の
君のために選んだ、大事な大事な髪飾りを付けるのを忘れていたのだ。
ピンクのスカートだし、君に「どうしたの?」って聞かれるために
思い切って前髪まで切ったのに、どーして髪飾りを忘れるのよ! もう馬鹿ァッ!

「あれ、どこだっけ? あれ、あれれれれぇぇぇ??」

そんな風に騒いでいたら、母さんに「朝から五月蠅い!」と怒られた。
探しているうちに八時になって、出る時間になった。
慌ただしく花の髪飾りをもって、家を出た。
走りすぎて半分乾いた目から、小さく雫が漏れる。
あぁもう! 泣いてるって勘違いされるぅぅっ!
そんな言葉を心の中でもらしながら、駅のホームをかけていく。


「お、遅れてごめん! ……なさい……弘君」
「遅い! 俺がどんだけ待ったと……っ!」

私が最後の方をゴモゴモさせながら言うと、弘君こと弘輝君は
言葉を詰まらせてそっぽを向いた。
? ……どうしたんだろう、弘君。
その後、私の方をむいて赤くなってゴモゴモ言ってたけど、よく聞こえなかった。
なんて言ったのかな?
……それにしても、オシャレしてったって何にも言ってくれないんだな、弘君は。
私の事は、何にも気にしてないからなのかな……。
そ、それは、ちょっと苦しいかも……。

「ね、ねぇ弘君。今日の私……どうかなっ?」
「へっ!? い、いや別に……普通。い、いつも通りじゃね?」

やっぱり!
こんなんじゃ、好きだなんて絶対に言えないよ。
多分、きっと……いや絶対、好きって言う時、私。
真っ赤になって、目すら合わせられないような気がする。
でも、恋に恋なんてしてない。それは確信できるよ。
だってそうでしょ? 私は、君が大好きなんだから——……。

続く