二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: どうぶつの森 ホヒンダ村だより—どうして私は—お知らせ発表 ( No.250 )
日時: 2011/04/16 11:34
名前: 麗 ◆AUKKRecP3g (ID: fFMoervE)

第27話[*+ 過去 晴菜SIDE +*]


「佐奈っ!」


「わっ、お姉ちゃん、びっくりさせないでよ〜」


まだ佐奈が記憶喪失になっていないときのこと。
いつものように、仲良く暮らしていた。

佐奈は可愛くて何でも出来て、
まさに自慢の妹だった。


だけど———


キキィィィィィィイイイィィィィ!!!


「キャァアァァァ!」


ドン!


何かが強くぶつかると一緒に、
意識はサーッとなくなった。


何・・・何が起きているの?


「ッ・・・」


前がまぶしくて、目をあけてみると
そこには見たことのない世界が広がっていた。


「ここは・・・」


「また一人、増えたな」


遠くで誰かの声がする。
そのほうへいってみると、いかにも偉そうな
おじさんが大きな椅子に座っていた。


「ここか?知っているだろう。天国だ。」


「———え?」


天国・・・?
そのとき、あたしの頭に浮かんだ文字。


『死』


その一文字だった。


「あの、あたし・・・死んだんですか!?」


「ああ、そうだ。」


「嘘だ、嘘だ———!」


あたしが死んだなんて・・・。


佐奈は、どうなるの?
ずっと、悲しむの?


いや・・・


「まぁ、確かに信じられないことだな。だけど、もう
起こったことなんだ。もう運命は変えられない」


「そんな・・・!」


どうも、出来ないの!?
何も・・・?


「お願いです!もう一回生きさせてください!」


きっとまだ佐奈は知らない。
まだチャンスはある。


「そして・・・事故のことをなかったことにして
欲しいです!」


「そうか・・・。お前には妹がいるからな」


神様らしき人は、ゆっくり微笑んで話してくれた。


「いいだろう」


「本当ですか!?」


もう一度いきらせてもらう・・・!
佐奈と、会える!


「だけども、その代わりに大切なものを失うことになる。」


「大切な・・・もの・・・。なんですか!?」


「さぁな。それを知るのは、生きてからだ。」


大切なもの・・・?
何?


「でも!生きさせてください!」


「・・・よかろう。ハウヴェル、トラヴェル」


何かの呪文をさっと唱えると、
目の前に扉が現れた。


「いきなさい。あなたには、未来があるのだから。」


「・・・はい!」


ギィイィィィ・・・


ありがとう・・・神様・・・


あたし、がんばるよ!


   *


「お姉ちゃん!」


はっと気づき、起きてみると佐奈がいた。


足も、感触もある。
よかった。あたし、ちゃんと生きてる・・・。


「もぅ、熱中症で倒れるなんて。気をつけてよ〜?」


「う、うん」


そうか・・・あたし、熱中症で倒れたことに
なるのか。


でも、何も失ったんだろう。
それは、まったく分からなかった。


   *


「佐奈—————!!」


佐奈が、記憶喪失になった。


・・・信じられない。
今までのこと、忘れちゃうの?


そう、神様がなくしたものは、「佐奈との思い出」だった。


だけど。


「あ、お姉ちゃん」


!?


あたしのことは・・・覚えているの?


じゃあ・・・何をなくしたの?


「触らないで!」


・・・え?


あたし、何言ってるの?


「気持ち悪い!」


こんなこと、言いたくない・・・!


あれからもずっと佐奈は落ち込んでいる。
謝りたいのに、体が動かない———!


そして、分かった。
あたしが失ったのは、「優しさ」だ。


だから、変なことしてさよりんを騙したり、
爆発したり。


あたしは、そんなことしたくないのに———!
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はぁ・・・腰が((