二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒き正義 【鋼の錬金術師】 ▼3/13 序章UP ( No.2 )
- 日時: 2011/03/21 18:41
- 名前: 刹那 (ID: 1EEKYNv1)
>> 1. 宿にて
私達は列車を下りた。無言…って、やりにくいなぁ…。
そんな時、アルフォンス・エルリックが私の肩を叩いた。
「あの…名前、なんて言うんですか?あ、ボクはアルフォンス。アルフォンス・エルリックって言うんだ」
「ノエル・シンフォニーと言います。ノエル、って呼んでください」
あなたの名前なんて知ってるんですけどね??アルフォンス・エルリックは、エドワード・エルリックの方を見た。
私もつられるようにそちらを見た。
「こっちは兄のエドワード・エルリック」
「……」
無言か。相変わらず腹立つチビだな〜。
次の瞬間、ゴンッッと言う音が響いた。見れば男の子の抱えていた木材がエドワード・エルリックの頭に当たったらしい。
「ブッ…」
「てめぇ笑ったな!?」
「断じて笑っておりません」
堂々と笑いましたよ??
††
私達は今、宿の中にいた。エドワード・エルリックが気立てのよさそうな会計のおばちゃんと話している。
私も後ろに立って、会話に耳を澄ましていた。
「1泊2食の…2人分ね」
「あれ?待ってよ兄さん、ノエルの分は??」
「知るかよそんなの」
あぁ…貴方はそんな口を聞いてしまうんですね、エドワード・エルリック。
それなら……
__________________________行け、フィル
「ミャァミャァミャァミャアア゛ーーーーッ!!!」
「「どぅわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!」」
フィルがアルフォンス・エルリックの中で暴れ始めた。…いい気味だ。
''正義''の名を持つ私に逆らったらどうなるか、ご理解お願いしますね?
「フィル、ストップ」
「…ミャア」
フィルは動きを止める。よし、賢いですね。
アルフォンス・エルリックとエドワード・エルリックは安心したようだ。私はエドワード・エルリックに微笑みかける。
エドワード・エルリックは小さな声で「…3人分」と言い直した。
「あいよ、了解。…30万、だ」
指を3本立てながら、その店の主人はニカッと笑う。エドワード・エルリックの顔色が一瞬にして変わった。
そして私とアルフォンス・エルリックを掴むと「行くぞアル、ノエル!!」と叫びながら宿の扉口に向かう____________________が、それは悲しき夢に終わった。
「逃がすか金ヅル」
「…逃げられない様です」
大人しくエドワード・エルリックは財布の中を見はじめた。だが足りない様子らしく、
「こうなったら…この石ころを金に……」
とか何とか、黒いオーラで言っている。あー怖い怖い。
その時、エドワード・エルリックの声が聞こえたのか、主人の子供__________カヤルが声をあげた。
「父ちゃん!!この人、錬金術師だよ!」
「ぬわにぃっ!?」
次の瞬間、店の中にいた人々が次々と壊れた物をエドワード・エルリックに差し出して行った。
エドワード・エルリックは嫌気な顔ながらも、どこか得意げにそれを直して行く。…初めて見た、生錬金術。
___________________________________その術で
「…あなた達は…私の民を殺して行ったんですね……」
呟きは、人々の騒ぎ声にかき消された。