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Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第四章・暁の弟をスカウト!?』 ( No.145 )
日時: 2011/05/24 17:24
名前: まい (ID: 3P/76RIf)

〜第16話〜「涙とぬくもり」

暁「たしかあの時、壱松兄貴は・・・あれ?なんて言ったけ?忘れた」

その瞬間、氷空に「直也は肝心なところ忘れるんだね」と呆れられながら言われた。正直、心に<グサ!>と来る言葉だ。しばらくして俺はメンバーと一緒に夕飯をたべていた。

暁「ん?このカレーなかなかいいじゃないか」
春「ホントですか!?よかったです」
壁「あ゛———— !!!このカレー辛いっす!!」
小「うっしっしし」

どうやら、小暮は壁山のカレーにタバスコを大量にいれたらしい、音無が小暮を追いかけまわして説教をする。それを見て笑うメンバーが多かった。
その時、颯音が俺に大きく手を振って呼んでいた。多分「来てくれ」と言う意味であろう。俺は皆に「ごちそうさま」と言って颯音の所へ走った。

暁「なんだ?まだ15時間以上余裕の時間があるのにやるのか?」
颯「兄貴あのさ・・・バックパスってなんだ!?」
暁「・・・・・はぁ!?バックパスを知らないのかよ!!」

驚愕だった。まさか、自分の弟がサッカーの知識がかけていたとは不覚だったな。対して颯音は「そんなに驚くことか?」と言いたそうな顔してこちらを見る・・・その視線ははっきり言って嫌いだ。

暁「バックパスはお前が壱松兄貴によくやっていたやつだ。」

そう言ったら颯音は「なるほど」と小さくつぶやいてた。颯音は昔、よく壱松兄貴とバックパスをして俺を抜いていた。今、あのパスができれば、けっこう使えるのにな

颯「もし、壱松兄貴がここにいたら、今の俺を憎んでるかな?」
暁「颯音?」

すぐに気が付いた颯音は両手で自分の口を抑え込んだ。きっと今まであの事を悔やんでいたんだ。5年間もずっとこらえていた気持ちを俺と会って打ち明けたかったのか?

颯「いや、気にしないでくれよ!さっきのは本音じゃないから」
暁「嘘をつくなよ・・・目が真っ赤だぞ」
颯「え?」

いつの間にか颯音の目には涙がたまっていた。5年間も悩んでつらかったんだ。あの事故で親父とお袋は離婚して、俺はお袋に引き取られて実家がある「新潟」に行き、颯音は「大分」に残ったんだ。親父は仕事であまりかまってもらえなかったんだ。

暁「一人で抱え込んでいるくらいなら、俺に頼っていいぞ」
颯「うるさい!!俺は・・・俺は」
暁「そんなにつらかったんなら、思いっきり泣いていいぞ・・・颯音」
颯「<グス>・・・じゃあ、甘えていいのか?」
暁「涙がたまっていたんだろ?別に甘えていいぞ」
颯「——————!!!」

それは暁に抱きついて声を殺して思い切り泣いていた颯音、暁は颯音の頭を撫でていた。

颯「あ・・に・・き・・・な、なん・・で・・お・・れ・・・の・・悩み・・・し・・知ってた?」

涙を流しながら途切れ途切れの言葉で行った質問、暁は嘘偽りもない言葉と明るい太陽のような笑顔で答えた。

暁「颯音、俺はお前のお兄さんなんだぞ、弟の悩みくらいはわかって当然に決まってる。あと、普段の俺からは絶対聞けない言葉だ。ありがたく思え」

その答えを聞いた颯音は改めて暁の兄弟で本当に良かった。そして、暁のぬくもりは温かいと思った。暁の心にいる氷空はすこし笑って「良いお兄さんだね」と密かに呟いてた。