二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第四章・暁の弟をスカウト!?』 ( No.148 )
日時: 2011/05/28 17:58
名前: まい (ID: ZEuRnT3o)

〜第18話〜「兄弟ゲンカ?」

結局午前はパスができなかったのだ。しばらくして颯音はグランドで練習をしている俺に話しかけた。

暁「なんで、こんな寒いなかやらないといけないんだ?」
颯「いいじゃないかこの寒さ!俺にはちょうどいい!!」
鬼「そういう問題じゃないだろ」
風「というか・・東條その恰好は?」

ちなみに今の時刻は午後2時、颯音の服装は短パンに半袖の無地のシャツだった。なんとも、暑苦しい格好である。俺はため息をした。

暁「はぁ〜〜お前のパスができたら、俺はキャラバンで休むからな、だから手早く終わらせてくれ」
颯「!・・・できるだけそうするからな」

まぁこいつのトラウマを克服するのは・・・約束の時間に間に合わない可能性が高いけどな

暁「とりあいずは・・・ドリブルパスからだな」
颯「やろうか」

早速始める颯音と俺、しかし思った通り颯音のパスは大きく外れたり、こちらの足元に届かなかったりするパスを連続して打ってる。しかも、パスを重ねるごとに颯音の体は震えてきてミスが多くなってきた。

颯「ごめん兄貴、また俺・・・」
鬼「このままじゃ東條の精神がもつかわからない!お前はそれでもまだ続けるつもりか!?」
颯「やらせてくれ。直也兄貴がいる時じゃないと俺はできない気がするんだ」

近くで練習を見ていた鬼道の話を断って颯音はまっすぐな目をして俺を見ていた。俺は少しため息をついてゆっくり口を開いた。

暁「いい加減に俺から離れてくれないか?」
颯「え?」
鬼「暁、何を・・・」
暁「だってそうだろ鬼道。このままじゃ、颯音は俺がいないと何もできない人で迷惑なんだよ。トラウマを無理やり克服させようとまで俺と一緒に行きたいなんて哀れにもほどがある」
颯「兄貴、一体何がいいたいんだ!?」
暁「お前さ・・・うざいんだよ」
鬼「言い過ぎだぞ暁!」

颯音はその言葉を聞いた瞬間に何かのスイッチが押されたかのように俺に対しての態度が激変した。

颯「『うざい』?それは俺も一緒だな!そもそもお前みたいな奴を『兄貴』だと思った俺がバカだった」
暁「そう思われてけっこうだ、俺はお前を兄弟と思ったことは一度もない」

そう言って俺は背中を向けた。さすがに<カチン>と来たらしく、颯音はやけくそに目の前にあったボールを俺に向かってものすごい速さで蹴って来た。

鬼「暁、後ろ!」
颯「(まずい、ムキになって強く蹴りすぎた!)」
暁「(来たな)」

俺は少し笑って後ろから来たボールをカットした。颯音はほっとして腰が抜けてグランドに尻もちをついた。

暁「パス、できたじゃないか」
颯「・・え?・・・・今のでいいのかよ!?」
暁「?別にパスは強さとか関係なく相手に届いて、相手がトラップできたらパスってことになるだろ鬼道?」
鬼「まぁ・・・そうだが」

まったく正論である。颯音も納得がいったみたいで頷いた。

暁「あと・・・さっきの俺が言った文句は演技だからよろしくな」
颯「はぁ!?え、演技!?」
暁「本気で俺があんなこと言うと思うか?見破れなかったなんてまだまだ甘いな」
鬼「いや、俺もわからなかったぞ(汗)」
暁「俺の演技は俳優並みだって言われた事もあるからな〜颯音に文句を言えばきっとやけくそになってボールを正確に俺に当てると思ったからからやった。けして悪趣味ではないからな」

鬼「(もしかして暁は意外と腹黒いのか?)」

颯「すっげー!!さすが兄貴!騙されたぜ!!」
鬼「騙されて悪い気しないのか?」
暁「颯音はいつもこんな感じだ。あとは、さっきのはドリブルパスじゃない、だからノーカウントだ」
颯「えぇ!?」
暁「だから、今の強さで蹴ってもいいぞ、ただ・・・あのボールをカットできるのは俺ぐらいしかいないな」
鬼「こいつに【手加減】という文字は?」
暁「ないぞ」

その通りだ。勢いがありすぎる颯音のパスはシュート並みに早くて威力もある。そんな暴れているボールは昔一緒に練習した暁しかとれない、暁も最初は颯音のパスで怪我をしたことがあったとか。
恐ろしいと言っていいほど颯音は手加減ができない体質でもあった。