二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第五章・運命は動き始めた』 ( No.201 )
日時: 2011/07/06 23:04
名前: まい (ID: Amc8WCDv)

〜第16話〜「期待と離脱」

その後は立向居は<マジン・ザ・ハンド>の特訓をして、俺はその特訓に付き合っている。

暁「腕の高さが高い、少し低くしろ。そうすれば技を出しやすくできるはずだ」
立「はい!」

指摘された所を意識して動きが固まってしまう立向居、俺は肩や二の腕などを軽く叩いて力が入っている場所を教える。

暁「ここの力を抜くように、動きが固まっているぞ」
立「はい!」

指導してわかる。こいつは努力して伸びるタイプ。しかも円堂に似ている動き、なかなかのGKセンスがある。つまり、GKのタマゴってことだな

立「でも、ここまで指導してくれるなんて感動です!」
暁「はぁ?俺は別に手の動きや足の動きを修正しただけだ」
立「暁さんのおかげで俺、いつもと違う感じがするんです!!こんな夜遅くまで付き合っていただけるなんて・・・」
暁「よ、夜遅く?」

立向居に言われて、辺りを見る。もう真っ暗な事に気づいた。暗いのが苦手な俺は慌ててポケットに入っているペンライトを取り出して灯りをつけた。

立「もしかして、暗いのが苦手なんですか?」
暁「む、昔のトラウマがあってよ、まぁ気にしないでくれ」
立「・・・・今日はここまでにしましょう。では!」

立向居は俺に礼を言って、走ってどこかへ行ってしまった。もしかしたら、俺のことを気遣ってくれたのかもな。明日が楽しみだな


キャラバンの中に入ってみると、やはり寝ているメンバーが多かった。そんな中、栗松がいなかった。今まではキャラバンの席にもたれかかるか、壁山の肩を枕代わりにして寝そべっているはずなのに・・・

暁「栗松?」

すると、栗松の席に手紙らしきものが置いてあった。これは、栗松の字だ。内容を読むと・・・・そこには『限界』や『すいません』などの文字が書かれていた。それは・・・・離脱すること前提に書かれている手紙だった。

暁「『バカどもが寝ている間にさよならをする』か、あいつも本当は離脱したくなかったんだな、だがジェネシスの出現によりチームが不安定になってやがる。」

いずれはこうなる事がわかっていたはずだ。キャプテンである円堂がいないだけでチームはバラバラに離れていく、まったく、世話が焼けるな
俺は手紙を片手で握りしめて、キャラバンから降りて急いで町の方へ走った。なんでだろう?自然と体が動く。

着いたのは陽花戸中から一番近い駅だった。ここは確か、新幹線も通っていたはずだ。

暁「はぁ、はぁ、間に合ってくれよ・・・」
氷「(直也!あそこ!!)」

氷空が発見してくれたのは人ごみの中に雷門のショルダーバックを持ち、改札口を通り過ぎようとしていた栗松がいた。このままでは行ってしまうと思った俺は思わず大声で呼んだ。

暁「栗松!!」
栗「!あ、暁さん・・・」
暁「ま、間に合った・・はぁ、はぁ」

栗松に駆け寄って、握りしめていた手紙を栗松の方に出した。俺は息を切らしながら言いたいことを言った。

暁「この手紙は、お前の本音か?」
栗「・・・はい」
暁「そ、そうか」
栗「何の用でやんスか?」
暁「と、東京で風丸に会ったらこう伝えてくれ『自分の力不足だと思うなよ』ってな。」
栗「・・・・はい、わかりました」
暁「あと栗松、絶対に俺達が雷門中に立ち寄った時は一緒にサッカーしような。以上だ」
栗「わざわざ、伝えるために追いかけて来たんでやんスか?」
暁「あぁ、俺はもう後悔なんてしたくないんだよ。せめて、別れるんだったら最後に言いたいことは言ったたほうがいいだろ!!」

もう、半分やけくそに言ってやった。こんなに感情的になったのは5年前の壱松が死んだときくらいだな・・・俺は最後に栗松に小さく手を振りながら言った。

暁「また、一緒にサッカーしような!」
栗「!!は、はい!」

こうして栗松は俺に見送られながら東京に帰った。これでよかったのか正直わかんないな、でも後悔はしてないのは本当だ。風丸が離脱した時も言いたいことを言えばよかったのにな。そう思いながら俺はキャラバンの方へ歩いて帰って行った。栗松・・・お前のためにもエイリア学園を倒してやるからな!!