二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第五章・運命は動き始めた』 ( No.204 )
日時: 2011/07/09 21:02
名前: まい (ID: 1kSqQpyj)

〜第17話〜「準備は整った」

俺が栗松を送ってキャラバンに戻り、気がつけば空は明るくなっていた。朝になったってことだ。

暁「一睡(いっすい)もできなかった・・・・」

結局キャラバンの中で寝れなかった。昨日はあんなに感情的になったせいだ。枕元に置いてある携帯で時間を確認すると5時12分・・・・正直体がだるい。ボーとしながら起き上ってノビをし、足元は少しふらつかせながら外に出た。すると、立向居が練習しているのが見えた。俺は立向居の所に歩き出した。

暁「こんな早くに練習か?」
立「あ、おはようございます!暁さん!!」
暁「それより、調子はどうだ?」
立「もう少しでできると思うんですけど・・・・」
暁「焦る事はないが、今日中になんとかできるか?」
立「え?」
暁「そろそろ、あいつを目覚めさせないと・・・・監督がメンバーから外すことになる」

もちろんあいつと言うのは円堂のことだ。監督も栗松が離脱したことを受けて、これ以上メンバーを離脱させないように、ここを出て行くつもりだ。

立「あいつって誰ですか?」
暁「円堂の事に決まっているだろ」
立「え!?なんでですか!?」
暁「今のあいつは抜け殻(ぬけがら)みたいなものだからな・・・・サッカーの情熱さえも忘れかけているんだよ」
立「そ、そんな・・・」

立向居は肩を落として顔が青ざめる。当然だ、憧れの人が希望を忘れかけているからな・・・・。

暁「なぜ円堂がそんな状態なのに、お前の必殺技に協力しているか分かるか?」
立「・・・・わかりません」
暁「答えは『お前の力が必要だから』だ。」
立「お・・俺の力?」
暁「あぁ、と言っても円堂のサッカー情熱しだいだ。FFの決勝はすごかったな」

頭の中にテレビで見た円堂が<マジン・ザ・ハンド>を出した時、俺もあの技を見てサッカーは面白い物だと改めて思ったんだ

暁「サッカーの情熱と諦めない気持ちを思い出させれば、あいつは・・・円堂は復帰できる!そのためには立向居、お前の力が必要だと思った。黙っててすまなかったな」
立「いえ俺こそ、そんな状況の中であんなに舞い上がっていた自分が恥ずかしいです。円堂さんのためにも<マジン・ザ・ハンド>を完成させましょう!!」
暁「俺は最初からそのつもりだぜ」

それから暁達は特訓を始める。立向居の必殺技はもう7割はできている。残りの3割は実践じゃないとできなさそうだ。

暁「二人じゃ足りない・・・・」
立「誰か手伝ってくれますかね?」

暁は何かひらめいたかのかキャラバンの中に装備されているキッチンからフライパンとお玉を持って中に入った。にやりと笑い古い漫画でよく見る目覚まし代わりにフライパンをお玉で思い切り何回もたたく。

暁「おい!!起きろ朝だ!!!」
一「な、なに!?」
壁「火事っすか!?」
土「それとも地震!!?」

もちろんこの音で全員が目を覚めす。暁はまるで遅刻しそうな子供をたたき起こしに来た母さんに見える。

暁「寝言は寝て言えよ。それより、お前達に頼みがある」
鬼「俺達を無理やり起こしてまでの頼みだと?」
暁「あぁ、立向居の必殺技の手伝いを頼む」
颯「兄貴一人で十分じゃないか?」
暁「俺は円堂を説得させる。後は任せた」
鬼「!まさか、それで立向居の必殺技を手伝ったのか?」
暁「あぁ、俺をなめるなよ」

そう言った俺はその場を立ち去った。鬼道は俺の考えを分かってくれたみたいだな、後は俺と立向居しだいだ。俺は円堂のいる屋上に静かに向かった。