二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第五章・運命は動き始めた』 ( No.209 )
日時: 2011/07/13 19:44
名前: まい (ID: WPWjN3c4)

〜第18話〜「暁なりの叱り方」

目を細くして両手を自分のポケットに入れて、一歩ずつ屋上に続く階段を上る音が校舎に響いた。コン・・コン・・とゆっくりとした足音で円堂がいる屋上に向かう。重苦しかった。円堂にあんな思いをさせてしまった罪悪感だけが自分にまとっている感覚がしたから。そう考えている内に気がつけば屋上の扉が目の前にある。俺は深呼吸をして扉の取手を廻し、開けた。そこには背中を丸めて俯いていた円堂がいた。少しでも不安をなくすためにいつも通り接してみる。

暁「まだ、落ち込んでいたのか円堂」
円「・・・・・暁」

円堂は俺の存在には気が付いてくれたが、名前を小声で言ったらそっぽを向いてすぐに俺から目線を外した。今は人にかかわりたくないのだろう。だが、ここでくじけているのは先には進めない、俺は少し唇をかみしめ、黙って円堂の隣に座った。しばらく沈黙が続くが、俺は円堂の方に振り向いて目を細めたまま話し始めた。

暁「・・・・お前さ、今のチームはバラバラだってわかっただろ」
円「・・あぁ・・・」
暁「分かっていながらお前はここで一人、落ち込んでいる。だったら、なぜお前はこうして落ち込んでいる?」

わざと問い詰めてみた。円堂はその言葉を聞いた瞬間に拳をつくり、思い切り握りしめている。今の言葉はきつかったのだろうか?と一瞬だけ疑問に思ったが、すぐにそんなことはどうでもいい、俺はいくつか円堂が落ち込んでいる理由を挙げてみる。

暁「ジェネシスに全く歯が立たなかったからか?吹雪の悩みに気付かなかったから?それとも、風丸が離脱したから?今のお前がいる。」
円「・・俺は・・・・」
暁「そんな野暮な奴が俺達のキャプテンなんて笑わせてくれるぜ」
円「!!」

円堂は眉間にしわを寄せて、ゆっくりと俺に目線を合わせて睨めつけた。かなり怒っているのが分かった。だが、ここはあえて話を続けさせてもらう。

暁「『何を分かっているんだ?』って言いたそうな顔をしているな、だったら、お前は風丸が離脱した本当の理由が分かっているのか?」
円「!・・・そ、それは・・・」

弱弱しい声を出し、俺から目線を逸らした。痛いところを突かれたから円堂はさっきよりも背中を丸めて俯いてしまった。本当は励ましてやりたいところだが、あえて俺はもっと追い込んでみる。すばやく円堂の胸倉を掴み、感情的になり怒鳴りつけた。

暁「お前はあの時、風丸が離脱した理由を聞いてないだろ!?あの時・・・・」


円『待てよ!イプシロンの時だって最初はかなわなかったけど。特訓して引き分けになっただろ!!だったらジェネシスだって・・・・』


あの時の円堂はただ、理由は聞かずに風丸を止めていた。理由を聞けば、円堂だってこんなにはならなかったはずだ。なのに・・・お前は・・・

暁「信頼できた仲間が離脱したから落ち込んでいる!?はぁ?ふざけんな!!お前はそんなことしか考えてないのか!?少しは離脱した風丸の気持ちも考えろ!!!あいつはどんな思いで出て行った!!?」
氷「(ちょっと直也!いくらなんでもそれは言い過ぎ・・・!?)」

氷空が怒鳴るのをやめたのは、暁は息を荒くし、掴んでいる手を震わせ、一粒の涙を流していた。また一つまた一つと、どんどん暁は涙を流していく、円堂は目開いてやっと今の自分が何をしていたのかに気が付いた。どれだけチームの皆に心配をかけて、つらい思いをさせたのかを・・・・そう思えば思うほど自分がみじめに感じた。自分の涙に気が付いた暁は掴んでいた手を離し、立ち上がって右手で涙を必死に拭いた。円堂もつられるように立ち上がり、頭を下げた。

円「ごめん、俺・・・・お前にも、つらい思いさせたな」
暁「別に気が付いたからいい。それより、頭を上げろ。グランドの方に面白いものが見られるぞ」
円「え?」

暁がグランドの方に指をさした。円堂は頭をあげて暁がさしているところを見て、反射的に囲ってあるフェンスを両手で掴んだ。暁は円堂の様子を見て口角を上げた。



中途半端だけど、次回に続きます!(すいません!!)