二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第五章・運命は動き始めた』 ( No.212 )
- 日時: 2011/07/14 21:06
- 名前: まい (ID: kDmOxrMt)
〜第19話〜「やっと復活した」
円堂の視線の先には、ボロボロの体で立向居が必死に鬼道達が打ったシュートを未完成な技で止めようしていた。何度も何度も試しているが、イマイチで技はあと一歩という所で失敗し、立ちあがって「お願いします!」と鬼道達に手をパンっと叩き、頼むと言う繰り返しばかりが行われていた。暁は円堂の肩に片手を軽く置き、問いかける。
暁「立向居はあんな必死になってまで、必殺技を完成させようとしている。なんであいつは何度も立ちあがれる?」
円「・・・・あ、あきらめないから」
そう答えた円堂はハッとして、自分が忘れていた気持ちにやっと思い出せた。対して暁はニッコリと笑って、円堂にもっと思い出してもらうためにFFの決勝戦の時の試合の様子をテレビで見た自分の思いを言った。
暁「FFで世子中とあの絶望的な試合展開だった時、お前は試合を諦めなかった。その思いのおかげでお前は<マジン・ザ・ハンド>を完成させた。あの技で形勢逆転して、雷門中は勝っただろ。」
円「諦めない・・・・気持ち」
円堂は体中にドクン、ドクンと心臓の大きな鼓動を感じ始める。立向居の姿とあの時の自分が重なったのだろう。暁は深呼吸をして念を押すように、円堂の耳元で囁いた(ささやいた)。
暁「思い出せ、・・あの時の気持ちを・・・・そして、あいつらの思いに気づけ、円堂 守」
暁がそう囁いた瞬間にグランドの方から立向居の雄叫びが聞こえた。その雄叫びはまるで、魔神でもいるかのような迫力があった。
立「<マジン・ザ・ハンド>!!」
立向居に青い色の<マジン・ザ・ハンド>でバシ!っとボールをキャッチした大きな音がグランドに響いた。しばらく沈黙するが、颯音が沈黙を破った。
颯「で、出来た・・・・・」
鬼「間違いない<マジン・ザ・ハンド>だ」
鬼道が発した言葉を聞いた瞬間に全員に歓声が上がった。その姿を見た暁は少し興奮気味で円堂に話し始めた。
暁「立向居の技は完成したぜ。こんなところで立ち止まっているお前はどうしたい?」
円「俺は・・・・立ち止まらない!俺は・・・ここから立ち直って歩き続ける!」
円堂はいつも通りの笑顔に戻った。暁は笑い返して軽く解釈をする。
暁「じゃあ、お前は復活したってことでいいか?」
円「あぁ!迷惑かけて悪かったな」
暁「本当、お前はキャプテンなのに迷惑かけすぎだ」
ストレートに本音を思わず、ぽろりっと言葉に出てしまった。円堂は冷や汗を掻き、苦笑いする。暁はタイミングを見計らって、円堂の腕を引っ張る、円堂は驚いてバランスを一瞬崩しそうになるが、何とか持ちこたえる。暁は何をやっている?と言って、急いで屋上を後にした。
グランドに行くと、そこにはキャラバンメンバーが立向居を囲んでいる。今の立向居は輝かしくも見える。暁は集まっているメンバーをかき分けて立向居のところに着く
立「あ、暁さん!見ていましたか?」
暁「もちろんだ。立向居・・・・それより、円堂が復活しましたよ、監督」
瞳「円堂君」
円「すいません。俺・・・チームに迷惑かけました」
瞳「次にこのようなことがあったら、容赦なくメンバーから外すわよ」
監督が冷たくそう言って、円堂から視線を逸らした。全員が円堂を囲み喜びの声が響く、しばらくして、暁はタイミングを見計らいトントンと円堂の肩を叩いた。
暁「お前ら・・・・俺の必殺技を忘れてないか?」
全「・・・あ!」
暁「今の反応は完全に忘れていたよな・・・・というわけで、2、3人借りる。」
そう言った暁は笑った。しかし、その微笑みはまるで背後に悪魔がいるのかというくらい不気味な黒い笑いだった。メンバーは暁が笑った瞬間、冷や汗を大量に掻いたという・・・・。