二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.270 )
- 日時: 2011/09/02 19:58
- 名前: まい (ID: AtEKy/.l)
『明かされる記憶』
〜第1話〜「出会い」
暁達は沖縄で豪炎寺と綱海を仲間にした後、親父のアイディアで東京に戻って一日だけ休息を取ることになった。話によれば、東京以外の地域に住んでいた人は円堂の家に泊まるらしい。円堂の家は金持ちかよ。と内心突っ込む暁がいた。その暁の隣にいる春奈が呟いく。
春「本当、平和ですね」
暁「そうだな、このチームに居れば、お前の顔も見られるし」
春「え・・・どういう意味ですか?」
しばらく沈黙が続き、暁は自分で言ったことの意味を考える
・・・・・・あれ?なんで俺は春奈にこんなことを言っているんだ?そう思ったら、暁は余りの恥ずかしさに顔なんか見れたものではない。目線を素早く外して、照れ隠しのため、少しパニックになっている春奈の頭を鷲掴み(わしづかみ)して大きく揺らす。
春「何するんですか!?」
暁「い、今、絶対にだらしない顔をしているから、こっち見んなよ//////」
そう言った瞬間に暁の顔は耳まで真っ赤になる。よっぽど鈍いためか、その照れに気付かない春奈は暁をただ睨む、しかし同時に暁に頭を撫でられる(と言うか、掴まれている)ことに心の底では喜んでいた。周りのメンバーからすれば、二人に何かの明るいキラキラなオーラが見える。中でも鬼道は二人の空気をしばらく眺めたいような、壊したいような複雑な気持ちになる。とそこに、上空から黒いボールが近くに落下する。落下した衝撃で地面が揺れる。揺れが収まったと同時にボールからガゼルの声が聞こえた。多分、ボールに録音でもしたのだろう
ガ「雷門イレブンの諸君。我々ダイアモンドダストはF Fスタジアムで待っている・・・・もしこなかったら東京に無作為にこのボールを打ち込む・・・・」
黒いボールはエイリア学園の所持していたボールだ。以前、円堂がボールを持ち上げた時にすごく重かったと話していた。重いボールをエイリア学園がでたらめに打ち込んだら、建物が崩壊するのは確実であろう。最悪の事態を避けるため、円堂達はすぐにスタジアムに急いだ。
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FFスタジアムに着いた雷門イレブン。見渡してみても、誰もいなかった。どうやらダイアモンドダストより、先に着いたようだ。
瞳「暁君はM Fで、東條君は控え、豪炎寺君は浦辺さんと2TOPでお願いするわ。」
瞳子監督の指示でポジションが決められる。その時、暁が変だった顔色も真っ青になり、体が細かく震えだし、さらには息も荒くなっていた。円堂が「大丈夫か?」と言う質問が聞こえないのか。ただ俯いていた。
親父「直也、どうした?」
暁「わからない・・・・・頭が痛い」
突然、暁の頭に雷に打たれたような激痛が走った。心拍数もどんどん早くなっていく。あまりの痛みに倒れこんでしまう。慌てて親父が地面に顔が着く前に、腕を支え、引っ張り上げてくれた。親父は必死に呼びかける。しかし暁は応じない。呼びかけられる声がどんどん遠く聞こえる。次第に視界が真っ暗になってしまった。
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暁「なんだ、ここ?」
気が付いたのは、暗い真夜中の深い森の中だった。さっきまでは昼で、試合前であった。雷門イレブンは気を失った自分をこんな森の中に一人ぼっちにはさせないはず。暁は近くの木に触れようとしたが、手は木を透き通ってしまった。これで確信した。ここは現実世界ではなく、夢の中にいるのだろう。第一、現実世界の自分だったら。こんな暗闇の中一人でいたらトラウマのことがあって体が拒絶反応して心臓がもたないくらいの恐怖に怯えてしまう。しかし、今は体の拒絶反応は起きない。
暁「夢の中だから、暗闇に拒絶しないのか」
拒絶しないということは、何かの意味があるのだろう。暁はもっと深い森の方へ歩き出した。しばらくすると、子どもの泣き声が聞こえた。多分、この森に迷い込んでしまったのであろう。声の主を探して走り出した。
暁「あれって・・・・・風介と晴矢?」
暁の目に飛び込んだのは4歳くらいのまだ幼い子供、一人は泣きながら叫んでいる風介ともう一人は風介を「泣くな!」と言って必死になだめる晴矢がいた。さっきの鳴き声の正体は幼い風介だろう。子供の頃はけっこう泣き虫だったのがよく分かる。それにしても、なんで二人はこんな森にいたのかが謎だ。
晴「なくなよ。ふうすけ」
風「はるやがもりであそぼうっていったから、まいごになったんだ!!」
晴「おれのせいかよ!」
この様子は、完全に二人は迷子になってしまっている。しかし、今の暁は二人には見えてないみたいで、暁が目の前に来ても気付いてない様子。今の自分は幽霊に近い状態なのだろう。すると、奥の茂みが大きく動いた。二人はビクッと体を震わせて、身を寄せ合う。
晴「な、なんだ!?」
?「え?」
風「わああああああ!!!!!!」
風介の悲鳴に驚いて、木の枝に止まっていたカラスが飛び回る。そこに茂みからチョコーンと言う効果音が似合うくらいに目開き、頭に「?マーク」を浮かべて、手にサッカーボールを両手でしっかりと持っている男の子がいた。暁はその男の子の正体が一目で分かった。なぜなら、その子はまだ氷空だった頃の自分であり、幼いころの自分でもあったからだ。
氷「あ、ひとだ!」
晴「おまえ、だれだ?」
風「もしかして、みち、しってるか?」
氷「わかんない!ぼく、まいごだから☆」
この言葉に二人は同時に肩を落とす。この頃の自分はかなりの天然らしい。その氷空は二人の顔を覗いてニコニコと微笑んでいた。
暁「もしかして、過去の俺の記憶が夢に出ている?」
暁の予想は的中した。暁が見ている夢こそが過去の記憶だった。暁の過去に一体何があったのか?そこ答えはきっと夢の中にあるのであろう。