二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.291 )
- 日時: 2011/09/21 18:46
- 名前: まい (ID: rBw6RsXX)
〜第6話〜「約束と絶叫」
また一週間後、氷空がお日さま園に遊びに来る。もちろん、初めに話しかけられるのは3人だった。いつものように、サッカーを一緒にサッカーをしてくれる仲間を探そうとすると
少し頬が赤くなっていながらも海夢が氷空の目の前にいた。少し驚いた表情をする4人、海夢は目線を合わせないが、勇気を振り絞って話した。
海「あの・・・・わたしもサッカーしていいですか?」
氷「いいよね、みんな!」
氷空の意見に対し、三人は頷く。
思えば三人は最近、海夢の様子がおかしいと感じていたのである。いつもなら、話しかけられない限り、無口な彼女がここ一週間は自分から話しかけているのである。氷空が遊びに来る今日だって、朝からそわそわしていた。
暁が見る限り多分、海夢は氷空に好意を寄せているのだろうと思った。
しばらく、5人はサッカーをして遊ぶ。すると、海夢の実力が分かったのか、4人とも海夢相手に本気でプレーをする。
ヒ「かいむ、うまいね!」
晴「あぁ、おれたちに、ついていけるなんて・・・・」
風「本当に初めてか?」
三人が驚くのも無理はない。海夢は初めてやるのに、ドリブルも安定しているし、パスのコントロールも抜群だ。もっというと、パスカットも出来るようになる。サッカーセンスが異常だった。ついでに言うと、実力は氷空にもついて行ける同等のレベルである。
夕暮れになり、ヒロトと氷空、海夢はベンチに座って休憩をする。風介と晴矢は遊具で遊ぶ。その二人の様子を見た海夢は微笑んだ。
氷「どうしたの?」
海「いつか、あの二人みたいに親友が出来るといいなーと」
ヒ「オレ達5人がしんゆうでしょ!」
氷「そうそう!」
ヒロトの思いがけない一言に海夢は茫然としてしまう。氷空は即答で同意。
晴「しんゆうなら、まずは、けいごをやめろよな!同い年だろ!」
風「ため口でいいぞ」
しかも、最初から聞いていたようで、二人が海夢を「敬語は使うな」と追い詰める。なんだか、4人のペースに飲まれているのは気のせいだろうか。
内心、強引な人たちだなと思いながらも同紙に嬉しいと感じた。今まで、同い年の男の子と話す機会すらなかった。認められても女の人しか会話がなかったのである。しかも、友達とは言えない仲だったので敬語で話していた。海夢にとって、『親友』は初めての仲の人たちである。
———————— 強引だけど、優しいぬくもりを感じられるわ。この人達はまるで、太陽ね ————————
海「だったら、親友なら一つ約束して」
氷「なに?」
さっきまで恥かしめていた様子の彼女が真っ直ぐな目で氷空を見る。あまりにも真剣なまなざしで思わず、キョトンとしてしまう。彼女は改まり、ニッコリと微笑んだ。
それは、今まで見てきた海夢の中でもっともやわらかい表情で一瞬、不意に4人はドキッときてしまう。
海「この先ずーと、親友でいて。また、会いに来てサッカーしようね」
氷「もちろん!一生。かいむたちは、しんゆうだよ」
氷空が笑って、つられるようにヒロト達も笑いあった。その瞬間、風景が歪み始める。ぼんやりとかすんでいき、目の前が光に包まれた。
暁が目を覚ますと、白い天井がある。顔には光が差し込んでいて眩しかった。寝かされている状態と服が入院服に代わっていることを考えると、病院だと瞬間的に理解できた。どうやら、現在に現実世界に帰ってきたらしい。
体が少しダルいと思いながらも上半身を起こす。大きいあくびを一つして伸びをする。ボーとしていて意識がはっきりしない。
暁「今の記憶はティムとの約束?・・・・・だったら、俺はあの4人と親友か」
親友ともなると、氷空のことを覚えているだろう。しかも、ずーと親友という約束したのに、今では敵という立場に置かれている。思えば、初めて会った時、4人とも驚いた表情をしていた。自分を氷空と認識をすれば名前を呼ばれるはず。
あくまで仮定だが、氷空が死んだという嘘でもつけば、自分は『氷空と似ている人』としか認識されなかった。そう思うと、胸が張り裂けそうだった。
暁「そう言えば今、何時だ?」
混乱している状態を少しでも抑えるため、まずは状況把握をする。部屋にあるテレビのリモコンを使ってつける。そこには中継の意味があるL I V E が右上に大きく表示されている。
映っていたのは、なぜかGK ではなく、DF のポジションになっている円堂にGKには立向居。それに、自分が知らない間に腰下ほどまである金髪の長髪で、中性的な外見の人がチームに入っていた。
対戦相手はなんと、バーンとガゼルが映っていた。
全く状況がつかめない暁は思わず、石像みたいに固まる。音量を上げると実況の角田がテレビ越しで、かなり興奮気味に言う
『みなさん、お待たせしました!今回はなんと、マスターランクのチーム【ダイヤモンドダストの選手】と【プロミネンスの選手】が構成したチーム・・・・・【カオス】がここ、帝国グランドに現れました!雷門とも一戦まで残り15分と迫っています!!』
さっきまで、ぼんやりとしていた意識がはっきりして、目が大きく目開いて青ざめていく、まさに驚愕の表情。気持ちを抑えようとした状態が逆にますます頭が混乱する。まさに寝耳に水である。
次の瞬間、暁がベッドから跳ね起きて、乱暴にベッドのわきにある引き出しを引く
その中にはユニフォームがなかったため、私服である黒いインナーの上に黄緑色のメンズシャツを重ね着して、クリーム色のスウェットに慌てて着替える。
頭の中では処理しきれない混乱する思いが絶叫に近い声で思わず・・・・
暁「きょ、今日は何月何日!?一体、俺はどれくらい気を失っていたんだ!!?つーか、なんでアイツら組んで、試合を今からするんだよ!?しかも、円堂もなんで DF!?それ以前にあのロン毛は誰だよ!?っていうか、ダイアモンドダスト戦はどっちが勝ったんだ!?
あぁ———!!ツッコミ所がありすぎて、ワケが分からねぇ——————!!!!???」
暁はかなりの早口言葉に全身全霊で叫んでしまった。その声は病院全体に響いたらしい。まさにパニック状態。正直、ここまでパニック状態の暁は珍しいのですよ。←これは作者意見