二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.298 )
日時: 2011/10/02 19:36
名前: まい (ID: QRtzFliU)

〜第9話〜「勝負の行方は?」

勝ち越しにされたけど。俺たちはその後攻め続けた。アフロディと豪炎寺先輩のコンビネーションが決まって、豪炎寺先輩が必殺技を出す体制になった。

豪「<爆熱ストーム>!」

ヘルガが止めようとするが、豪炎寺先輩のシュートがゴールに突き刺さった。これで、同点だ。
点を守れば引き分け。でも、引き分けじゃダメだ!勝ちに行くしかこの試合の意味がない。ガゼル達は猛攻撃にくる。アフロディや豪炎寺先輩は厳しくマークされるはず。ここは、俺が点を取るしかない・・・・。

試合再開のホイッスルが鳴る。やっぱり、二人は厳しくマークされていて、パスがすべてカットされていた。
俺もなんとか動こうとするけど。二人もマークされていて、振り切ることが出来ない。
 これじゃ、新技もやることすら出来ない。その時だった。

円「いくぞ!」
綱「おい!ゴールはどうするんだ!?」

ゴールにそんな声が聞こえた。慌ててキャプテンがいるゴールを見たら、キャプテンが攻撃に参加して、ゴールを開けていた。何を考えているんだ!?
 次の瞬間、一之瀬先輩がボールを奪われた。しかも、ガゼルの方にパスがつながっていく。これじゃあ、ゴールが、がら空きになっている状態でシュートが撃ち込まれる!

颯「そうはいかせない!」

思い切り走ってマークを振り切って、ボールをカットした。でも、目の前にガゼルが立っている。周りを見ても、パスを出せる人がいない。
 ここは、自信がないし、未完成だけど。新必殺技をやるしかないよな・・・・

颯「<サンダー・ヘッジホッグ>!!」

体に雷の針のようなトゲを背中に生えて、高速のドリブルで相手を抜く。そして、俺が通った後の地面に電気が流れる。これで、相手をマヒさせることが出来て、しばらく動けないはず。
 気になって後ろを見たら、ガゼルが膝をついて身をかがめていた。多分、技が成功したんだ!

ガ「くそっ!」
円「ナイス東條!」

キャプテンにも褒められた。よし!このまま突っ切ると颯音が思っていたのもつかの間だった。慣れない高速のドリブルをしたせいか、足元がふらつきはじめる。なんとか、踏ん張ろうとするが、次の瞬間、視界が反転して天井の方を向いた。



一方、観客席では、

ヒ「今の技・・・・・」
海「彼、すごいわね」
晴「さすが、東條だ。ま、俺ほどじゃないけど」
海「自惚れないで、気持ち悪い。もしかしたら、アンタよりもすごいかもよ」

と海夢が言った瞬間に颯音は技を出した反動でうまくバランスがとれず、手で体をかばうことが出来ず・・・・・重力に従って、背中を思い切り地面に打ち付ける。
ラッキーなことに、ボールはラインから外れて奪われることはなかった。
が、グランド全体に颯音の叫び声が響いた。

颯「いって ————————— !!!!」

しばらくの沈黙、そして、海夢はかなり冷たい目で颯音に視線を向ける。

海「前後撤回。やっぱり、アンタ以下ね」



戻って颯音目線。
 ちょ、調子に乗ったせいで、背中を思いっきり打つとか・・・・・本当、ない。俺って不幸なのかよ?ボールが奪われずに済んだのはよかったけど。
 技が未完成な理由はこれだ。実は元々、バランスをとることが苦手、それも目をつぶって片足立ちなんて、5秒間バランスが取れないぐらい大の苦手である。

颯「やっぱり、未完成な技を試すのはよくないか・・・・」

一人で颯音が反省をしている時、アフロディと鬼道が何かを話していた。多分、円堂を攻撃に参加させるか、させないかの抗議だろう。そう颯音は直感的に思った。

試合再開のホイッスルが再び鳴る。鬼道先輩が相手からボールを奪って、キャプテンを上げていく、しかし、鬼道先輩はボールを奪われてしまった。

颯「まずい!」
ア「円堂君、早くもどるんだ!」

俺とアフロディでなんとか時間を稼ぐためにリフェンスに行く。だが、すぐ近くにいた相手に気付かなくて、ガゼルにパスが送られる。
 そして、あっという間にガゼルはゴール前に立つ。お構いなしにシュート体制になった。

ガ「<ノーザンインパクト>!!」

なんとかキャプテンはゴール立って<正義の鉄拳>を発動させようとする。でも・・・・・キャプテンが立っていたのはペナルティエリア外だぞ!?

円「<正義の・・・・・」
颯「キャプテン!ペナルティエリアの外だ。ハンドになる!!」

ハンドになったら、PKになってもっと不利になる。そう思って、必殺技をだそうとしたのを止めた。

円「くそ!!」

キャプテンはやけくそになって、拳を出さないでヘッドで<ノーザンインパクト>を防ごうとする。
 防げない。誰もがそう思った。すると、頭部にゴットハンドのようなエネルギーの手を展開させ、その手が拳を作りパンチをすることでガゼルのシュートを止めた。
 全員が唖然とする中、ここで試合終了のホイッスルが鳴り響く。結果は2−2の引き分け・・・・・。

ヒ「そこまでだよ。ガゼル」
円「ヒロト!?」
海「情けないわ、引き分けなんて・・・・・」

そこには、グラン、ティム、さらには南雲がいた。試合をずっと見ていたってわけか。っていうか、いるなら、言えよ。

ガ「ティム・・・・」
海「アンタにはがっかり。でも、いい試合をしていたじゃない。楽しかった?」
ガ「あぁ」
海「そう、よかった」

曖昧な返事をしたガゼルにティムはニッコリと微笑む、それは沖縄で出会った時よりもやわらかい表情だった。
 なんというか・・・・・人間みたいだった。
その時、グランにガゼルやバーンの頬が少し赤かったのは気のせいか?

海「東條 颯音」
颯「はい!?」

いきなり名前を呼ばれて身が固まってしまい、声も裏声になる。そして、ティムはゆっくりと俺の方に近づいて、ティムの片手が肩に触れながら耳元に囁いた。

海「貴方はバランスを取るのが苦手ですね。克服すれば<ヘッジホッグ・サンダー>を完成するはずです。」
颯「なんでそんなことを?」
海「貴方はもしかしたら、エイリア学園の脅威になるかもしれないからです」

ティムが悲しそうに発した言葉はよく分からなって頭の中が真っ白になる。
 なんで?敵にわざわざ必殺技の完成をさせるためのヒントを言うんだ?脅威になるかもしれないのに?ティムは一体、何を考えているんだ?
顔を上げてティムに問いかけようとした次の瞬間、さっきまでいたダイヤモンドダスト達が白い光が辺りを包み込む、気が付いたときはいなくなった。