二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.311 )
- 日時: 2011/11/10 18:42
- 名前: まい (ID: d3Qv8qHc)
〜番外編〜「弟の誕生日」
※雪江と正治が別れていません。つまり、颯音と暁は同居しています。
暁の表示は直也になります。パラレルかも。作者の俺得小説です※
ここは、暁一家が住んでいる自宅。今日は休日で学校は休みの日だ。颯音はガツガツと朝食を食べながら、話題をコロコロと変えて、積極的に直也に話しかけていた。直也は相づちを打っているだけで、話自体はあまり聞いていない状態だった。普段から颯音は食事の時は、兄である暁ではなく、もう一人の兄、壱松や父である正治と会話を楽しんでいた。直也に話かけても無視されるからだ。
ここでしびれを切らした雪江が眼鏡を外して颯音を睨めつけた。
雪「颯音、行儀よく食べな」
流石の颯音もこの意見には言い返せない。颯音は座って静かにご飯を食べ始めた。すると、直也は席を立って皿を片付けて、二階に行き、自分の部屋に向かった。
颯音は唇を尖らせて、机に寄り掛かる。そこに、隣にいた正治が颯音の肩を軽く叩く。
親父「どうした?颯音」
颯「兄貴が冷たい」
親父「普段から冷たい態度なのは知っているだろ」
言われてみればそうだ。直也は弟の颯音に対して冷たい態度をとっていた。サッカーの必殺技のコツを聞いても「自分でなんとかしろ」と言われたり、話をしようとすると「親父に言えよ」とはぐらかされていた。
颯「俺だって、寂しいって思うときくらいあるぞ!!」
親父「それは、颯音が構ってほしいだけだろ?」
颯「そうだけど・・・・・せめて今日だけでも、普通の兄弟として過ごしたいんだけどな〜」
確かに、たまには兄に構ってほしいことがあると思う。だが、直也が兄として甘えさせるのは、ごくまれのこと、それも本当に悩みで調子が悪い時や怒りが爆発しそうな時で、本当に助けを求める場合だけだった。まぁ、直也の性格がひねくれているのが原因だが。
それ以上に、颯音には構ってほしい理由があった。今日は颯音の誕生日だからだ。直也に朝、今日は何の日か聞いたが「なんかあったか?」と返事をして颯音の誕生日をすっかり忘れているようだった。気付いてもらいたいので「誕生日だぞ」とは言えない
颯「忘れているよな、兄貴の奴」
颯音はため息をつきながら、呟いた。
しばらくして、茶色いTシャツにサックス色の7分袖デニムを重ね着してグレーのジーパン。頭には白いキャップをかぶった直也が降りてきた。
雪「どこか出かけるの?」
直「あぁ。颯音、ちょっと一緒に買い物に行かないか?」
直也の言ったことに一瞬フリーズする颯音。この時、頭の中が真っ白になる。「大丈夫か?」と正治に聞かれたら、我に返る。直也はそっぽを向きながら、事情を話した。
直「いや。なんというか・・・・・お前が来ないと買えないものだからさ。それに、俺と買い物に行く機会なんて、滅多にないが・・・どうする?」
颯「い、行く!!だからちょっと待って!」
次の瞬間、颯音は立ち上がって、机をバンッ!と叩き、皿を素早く片付け、走って二階に上がって部屋に直行して外出用の服に着替えます。片付けた時、乱暴に皿やコップを重ねたせいで何枚か割れて、一階に戻ったら、鬼の険相をした雪江に数十分間も怒られるのは言うまでもありません。
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片道歩いて20分で目的地についた二人。そこは、中古や新しいものも売っているゲームショップだった。
考えてみれば、直也は滅多にゲームなどしません。学校が終わってからは雪江の手伝いや、近所の子供たちと日が暮れるまで遊んでいるのだ。夜になれば勉強を日課的に行っている。颯音は疑問に思いました。
颯「兄貴はゲームなんかやらないだろう?」
直「実は、お前とよく性格が似ている友達が誕生日にPS●ほしいって言うんだ。俺はゲーム機なんて選んだことないから、お前に選んでもらいたいからここに連れてきた。」
言われた瞬間に颯音はまるで、雷にも打たれたかくらいの衝撃が走った。今日、二人で買い物に行くのなら、プレゼントを買ってくれるかも。と内心期待していたが。まさか、友達のプレゼントを選んでほしいという兄の頼みがあった。もちろん、ここまで来たので帰れるわけもなく、颯音は仕方なく店に入った。
直「色とソフトはどんなやつがいい?」
颯「色は赤、ソフトはアクション系が良いと思うぞ」
店に入ってみると、きれいに並べてあるカセットがある。直也は颯音に言われた通り、適当に選んだアクション系のソフトを手に取って、颯音に見せた。「それでいいじゃん」と颯音が不機嫌そうに言うと直也は顔をしかめた。
直「やけに冷たい態度だな。さっきまで元気だった奴とは思えない」
颯「誰かさんのせいで機嫌が悪いんだよ・・・・・」
直「あ、そう。会計するから、外で待っていろ。」
颯音の想いをよそに直也はソフトを持ってレジに行きました。PS●はレジで注文するので読者の皆様はご安心を!←
颯音はため息をついて、外に出て、直也を待った。数分すれば、直也の手には綺麗な包装があった。どうやら、友達にプレゼントするのは本当のようだ。友達の誕生日を覚えているなら、弟である自分の誕生日も覚えていろ。そんなに弟よりも友達が大切か。と言いたくなる気持ちになる。
その時だった。直也は頭を下げて、さっき買ったゲームが入った紙袋を颯音に突き出した。急だったので、颯音は思わず一歩後ろに下がって、キョトンとしてしまう。冷静になって、言い返す。
颯「それは友達に渡すものだろ」
直「今日は俺の弟くんの誕生日と思ったが、違うか?」
颯「・・・はぁ?」
思い掛けない言葉を言われて、頭がパニックになって、その場は沈黙となる。直也は顔をあげて、軽く咳をして改まった。
直「帰って家族の前でこんなこと言うのは俺の柄じゃないだろうから。何年に一回度しか言わない言葉を言う。聞いておけ」
息を大きく吸い込んで、颯音の瞳を見ながら、満面の笑顔になった。
直「誕生日、おめでとう。そして、俺の弟になってくれてありがとうな」
ここで期待していた言葉の後に、感謝の言葉も付け加えられた。颯音は大きく目開きました。普段は冷たい態度しかとらない直也がこんなに素直なのだから驚きです。一方の直也は帽子を深くかぶって、歩き出した。しかも、普段よりも2倍近くのスピードで、颯音は急いで直也の後を追いかけた。
颯「ちょっと待てよ!兄貴、歩くの速い!!」
直「文句あるか!?恥を惜しんで感謝の言葉を言ったんだから当然だろ!!」
近くに行くと直也の耳は真っ赤になっていた。さっきの言葉を言うのか迷ったのだろう。思った以上に恥ずかしかったのだろう。颯音は直也の行動にはびっくりしたが、それ以上に照れ屋の兄にはもっと驚いた。二人は仲良く家に帰った。
「な・・・・・・なんじゃこりゃぁあああぁあッ!!!!!!!!!」
家中に颯音が全身全霊で叫んだ声が響きます。颯音の目の前には、直也が買ってくれたプレゼントの包装が開けられていた。プレゼントの正体を見た颯音は走って、二階の直也の部屋に直行して、勢いよくドアを開けた。そこには、ヘッドフォンを両耳につけて、英語の教科書とノートを開き、黒ぶちの眼鏡をして勉強机に座っている直也がいた。直也は呆れた様子で颯音の方に椅子を回転させる。
颯「兄貴!!プレゼントの中身、あれはどういうことだよ!!?」
文句を言ってやると、直也は足を組んで椅子に寄り掛かり、眼鏡をグイッと持ち上げた。持ち上げた瞬間に反射して眼鏡が光った。直也はニヤリと笑いを浮かべた。
直「まさか、本当にPS●だと思っていた?俺がそんな高額なプレゼントを買ったと勘違いしていたとは、お前もまだまだ」
颯「こんな古い型のゲーム機を買うために行ったのかよ!?てか、売っていたこと自体が奇跡だろ!!こんな安いプレゼントを渡しやがって!!!」
直「安いだと!?1096円をなめるな!お前のプレゼントとして送る額は十分だ!ゲームショップには中古くらいある!あの場で「PS●がほしいです。お兄さん」とか言えば、考えてやったのに」
颯「いつも冷たい兄貴がプレゼントを買うために行ったとは思えないだろうが!」
直「それはお前の。り・く・つ。そんな文句を聞いているほど、俺は暇じゃない。今は英語のリスニングをして忙しい。OK?」
それだけ言うと、直也は椅子を机の方に回転させて、勉強を再開する。颯音に手を軽く振って「出てけ」と合図をしながら——
その瞬間、颯音の中の何かがぶちぎれた。
「弟の誕生日に、ワンダースワンとPS●のソフトなんて渡すな——————!!!!!!!」
ワンダースワンとは、簡単に言えば1999年に発売されたPS●の旧型。画面はもちろんドットで、画質が悪いです。ちなみに、ワンダースワンの代表的なソフトは「ファイナルフャンタジー」です。そして、本体はないのに、PS●のソフトだけを買う直也もおかしいです。単なるいやがらせなのだろうか。
後日。颯音はワンダースワンのソフトを買って、一人でゲームを全クリをしたという。案外楽しいようです。
==作者の感想==
どーも!毎度この『俺のサッカー』の作者、まいです!!今回の番外編は楽しんで書き込みました〜。普段は絶対言わないような暁の言葉は自分の中でかなり萌え(ry
さてさて、明日も更新するか迷っている作者がいます。ポッキーの日と言えば・・・・あれですね。それを暁にやらせたらどうなるんだか!!!!
暁「まい。少しは落ち着け、てか。もうネタが頭の中で暴走しかけているんだろ。ネタを書いているメモ帳も摩擦で熱くなったっていうし」
そうそう!!明日は絶対に更新するんだから!!!!
暁「読者の皆様、番外編が多くなりますが。このバカ作者のお付き合い願います。番外編を書き終わったら、本編を更新させますので・・・・・更新しなかったら俺が責任もって<アイス・セルセレラ>や<ブリザート・ショット改>で、シメるんで。ご安心ください。」