二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.314 )
日時: 2011/11/13 19:07
名前: まい (ID: Vhz3S.Kc)

〜第14話〜「カオスの実力と疑問」

雷門ボールからキックオフ。パスを順調につないでいく。すると、ドロルが塔子からボールを奪おうとする。塔子はターンをしてかわそうとするが、ドロルは塔子のターン以上のスピードを出してスライディングをしてボールを奪った。それどころか、ドロルはDF陣を次々と抜き去る。

塔「どういうことだよ!?」
颯「この前の試合よりもスピードもテクニックも確実に上がっている!」
リ「そんな・・・あの試合から何日も経ってへんで・・・・」

全員が唖然とする中、ドロルは一人だけでゴール前に来てしまった。綱海がボールを奪いに行くが、ドロルは隙を見て、ここまで上がってきていたガゼルにパスを出した。ドロルばかり気を取られていてガゼルはノーマークだったのだ。ガゼルはすぐに必殺技を繰り出した。

ガ「<ノーザンインパクト>!!」
立「<マジン・ザ・ハンド>!」

立向居は、未完成な<ムゲン・ザ・ハンド>ではなく、<マジン・ザ・ハンド>を繰り出した。しかし、<ノーザンインパクト>の威力には及ばず、いとも簡単にやぶられてしまい。ボールがゴールに突き刺さった。
 開始早々、雷門はカオスのカウンター攻撃により、先制点をとられてしまったのだ。この前の<ノーザンインパクト>よりもパワーアップしている気がした。瞳子と颯音は察した「彼らはこの試合にすべてを懸けている」と。

颯「嫌な予感がする。この試合、何か仕掛けられているかもしれない」


試合再開のホイッスルが鳴る。円堂がボールをキープして、豪炎寺にパスをつなげた。しかし、カオスの素早いDFで前に進めない。豪炎寺はマークされていないアフロディにパスを出す。
ドリブルで攻めていくとアフロディの前にネッパーというFWの選手が立ちふさがる。アフロディは必殺技を繰り出した。

ア「<ヘブンズタイム>」

アフロディが技を解かない限り、誰も動けない技だ。相手を歩いて抜いた。次の瞬間、目を疑う光景が飛び込んだ。
 ネッパーは技の効力を無効にして、アフロディからボールを奪ったのだ。取られたアフロディ自身も驚いているが、雷門全員も驚いた。

土「嘘だろ・・・・<ヘブンズタイム>が、やぶられた」

唖然とする中、ネッパーはヒートというMFにパスをつなげようとする。颯音は走って行き、ボールをカットした。しかし、周りを見るとほとんどの人はマークされている。颯音はマークされていない。アフロディにパスを出した。
 また目の前にネッパーが立ちふさがる。再び<ヘブンズタイム>を繰り出す。しかし再び、<ヘブンズタイム>がやぶられてしまった。

ア「<ヘブンズタイム>が通じない!」

ネッパーを上がっていき、ゴール前にいる円堂も抜いてしまう。そして、ノーマークのバーンにボールが渡ってしまった。

バ「<アトミックフレア>!」
立「<マジン・ザ・ハンド>!!」

立向居はもう一度、<マジン・ザ・ハンド>を繰り出す。しかし、バーンのシュートの威力の方が上で簡単に破られてしまった。これで、0−2 だ。
 それから、シュートの嵐だった。バーンやガゼルが中心となって、次々とシュートが決まっていく。気付けば点差は10点だった。一方的な試合展開になった。

バ「これで、終わりだ!!<アトミックフレア>!」

パスが通って、バーンが<アトミックフレア>を打った。凄まじい威力のシュートだ。すでに立向居はフラフラになって、とてもゴールを守れる状態ではない。円堂は、立向居の前に立った。

円「<メガトンヘッド>!!」

円堂は<メガトンヘッド>でバーンのシュートゴールをカットした。しかし、円堂はまともに受けたので、横に倒れこんでしまった。チーム全員が円堂の元へ駆け寄る。

綱「大丈夫か円堂!?」
円「平気だ・・・・・このくらい、なんともない!」

円堂はゆっくりと立ち上がる。このプレイで刺激されて、綱海、壁山、木暮の士気が上がった。その後の試合展開は、シュートの嵐が来ても、DF陣が立向居をフォローして、防いでいく。堅い守りになったのだ。しかし、肝心の攻撃の時はボールがつながらなかった。
 中盤に差し掛かるとダッシュしてから炎を走らせながらスライディングをおこないボールを奪うと共に相手を焼き尽くすディフェンス技<イグナイトスティール>やスライディングすると共にその滑る地点の地面が氷の道と変化するディフェンス技<フローディンスティール>でボールが奪われてしまう。

鬼「(DFラインを下げているせいで、中盤が手薄になっている)」
颯「(でも、キャプテンを上げると、守りのリズムが崩れる・・・・せっかく完成した<デスゾーン2>もキャプテンが上がらないと使えない)」

攻撃か守りを優先にするのかが、迷う二人。このままだと、勝てないのも分かっていた。ここで、颯音がふと何を思い出した。



それはダイモンドダスト戦の前でキャラバンの中での会話だった。颯音は昔から気になっていたのだ。なぜ、暁はすぐに相手の弱点を分析できるのかが、この時、思い切って質問した。


——— なぁ、兄貴はどうやって、弱点を分析しているんだ? ———

——— 簡単だ。相手の性格や特徴、プレイスタイル。それを組み合わせて、リズムに置き換えればいい話だ ———

——— リズム? ———

——— 大切なのはそのリズムだ。一人ひとりのリズムは異なる。それが、チームの弱点になることだってある。どんな強いチームにも何か弱点を持っている。覚えたほうがいいぞ ———

——— 兄貴や鬼道先輩がいれば、俺が覚える必要はないだろ ———

——— それが、必要あるんだよ。お前はもしかしたら、俺や鬼道よりも洞察力が優れているかもしれないからな。ど素人でも簡単にチームの弱点を見つけ出す方法を特別に教えてやろう ———


暁はそう言って、颯音に相手のリズムを読み取るコツを教えた。颯音は相手の弱点を見つける方法を知っているのだ。ダイヤモンダスト戦ではすっかり忘れていたため、やっていなかった。


颯「(まずは、相手のチームの攻撃のパターンを頭の中で整理する・・・・だっけ?)」

颯音は少し不安ながらもやってみた。
相手はこっちが攻めていくと、<フローズンスティール>や<イグナイトスティール>でボールを奪って、バーンかガゼルにパスしてシュートする。それが主なパターンだ。
二番目に多いパターンは、アフロディの必殺技をやぶったネッパーが攻めて、バーンにパスを出す。あとはバーンがシュートを打つ。ネッパーは守りと攻撃、どちらとも使える3番目に中心となる選手と思えばいい。

颯「(次に、中心となっている選手の動きを整理)」

バーンやガゼルは常にゴール前にいて、守りに参加する気配はない。攻撃に専念しているからあまり動かないのだろう。ネッパーは大体、一人で守りを崩して、一人で攻め上がる癖があった。パスを出したとしても、決まって元プロミネンスしかパスを出さない気がした。ここで、颯音は疑問に思った。

颯「ん?ネッパーの奴、まさか・・・・よし、確かめてみるか」

時間を見ると、前半の残り時間もわずか。だが、確かめたいことができた。颯音はその場に立ち止まって。静かに左目をつぶり、右目を目開き、ネッパーを観察し始めた。