二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.315 )
- 日時: 2011/11/20 19:02
- 名前: まい (ID: fYloRGSl)
〜第15話〜「波乱の試合」
ネッパーの目の前には土門と円堂がボールを奪おうとしている。右サイドにいたドロルがパスを出すように指示を出した。
ド「こっちだ!」
ネ「っち・・・・ヒート!」
しかし、ネッパーは左サイドに上がっていたヒートにパスを出した。確か、ヒートも元プロミネンスだった。颯音は再度ネッパーを見る。今度はリオーネがパスの指示を出すが、少し遠くにいたバーラにパスを出した。
リオーネもドロルも元ダイヤモンドダストで、バーラは元プロミネンスだ。ネッパーは明らかに元ダイヤモンドダストの選手を無視してプレイしている。多分、10点も差があるので欲が出たのだ。しかし、それがカオスの唯一の弱点となる ———
颯「分かった・・・・カオスの弱点を」
颯音の視線の先には少し笑っている鬼道がいた。多分、鬼道もこのことに気付いたのだろう。颯音は全速力で駆け上がってネッパーの正面まで行った。左サイドにはドロルが上がっていたが、ネッパーは無視して右サイドにいるヒートにパスを出した。すると、鬼道はパスカットした。相手が驚いている中、鬼道は攻め上がり、円堂や土門も上がる。
ボールを空中に上げ、そのボールを3人で囲いながらそれぞれが独楽のようにスピンを行った。
鬼「<デスゾーン>が帝国の意思統一で生まれた必殺技とすれば、<デスゾーン2>は個性のぶつかり合い」
土「<デスゾーン>が足し算だとすれば・・・・」
円「俺達の<デスゾーン2>は掛け算だ!!」
トライアングルを形成してから3人同時にシュートを繰り出した。<デスゾーン>とは比べ物にならないエネルギーがゴールへ向かう。相手は<バーンアウト>を繰り出したが、簡単に敗れてそのままゴールした。これで、1−10だ。シュートを打った三人のプレイによって、雷門側の士気が上がった。
しかし、今度はカオスの反撃に出た。バーンがすごいスピードで一人、突っ走って鬼道を抜いてしまった。円堂も止めに入るが、高く飛び上がって、回避してしまい。そのまま立向居と一対一になってしまう。
バ「<アトミックフレア>!」
綱海や壁山が止めに入ろうとするが、追いつかない。立向居は深呼吸をして、バーンのシュートをじっと見た。
ボールの回転は高速で縦回転している。そして、目を閉じるとボールが受けている風が聞こえた。立向居はゆっくりと両手を広げ、頭上で合掌させる。すると、4本の腕が現れ、その腕が飛んでくるシュートを四方八方からボールをキャッチして勢いを弱め、腕の中にしっかりとボールが収まった。
円堂の<マジン・ザ・ハンド>でも止められなかったシュートを立向居の必殺技で止めた。敵の味方も唖然としてしまった。颯音は手汗が出て、体を少し震わせていた。次の瞬間、拳を頭上に突き上げた。
颯「完成したな、立向居!究極必殺技が!!」
立「うん!」
ここで前半終了のホイッスルが鳴った。1−10だが、立向居の必殺技を完成させたのは大きい。後半への弾みがついた。ハーフタイムになり、全員ベンチに戻った。すると鬼道は「カオスには休止符がある」と言い出す。
颯「やっぱり、鬼道先輩も気が付いていたんですね」
鬼「あぁ。東條はいつ頃気付いた?」
颯「多分、鬼道先輩と同じタイミングですよ。じゃなかったら、一点目の前に誘導した意味がありませんよ」
円「誘導?」
確かに、鬼道と颯音は<デスゾーン2>が決まる前にネッパーのボールをカットするように誘導していたのを思い出した。颯音が話を切り出した。
颯「あぁ。あのネッパーって言う奴はダイヤモンドダストを完全に無視している」
鬼「おそらく、プロミネンスだけで勝てることを見せたいんだろう」
颯「つまり、あいつを中心に攻めていけば、まだまだ付け入る隙があるってことだ。どんなチームにも弱点があるってこのことだな♪」
颯音と鬼道はまるで、相手が次に何を言うことが分かっているように淡々と話した。言われてみれば、まだまだ勝機があるかもしれないということだ。後半からはアフロディや豪炎寺がネッパーを崩して攻め上がり、円堂も積極的に前に出る作戦に出た。これで、カオスを倒せるかもしれない。誰もが思った ——
雷門が作戦を練っている間。ある人物が帝国スタジアムの観客席に現れて、グランドからは見えづらい位置の席に行って前にかがんで座った。フードをかぶっているせいで顔が見えなかった。
?「これが、カオスと今の雷門の実力か・・・・・」
そう呟くと?は深いため息をついて、グランドをじっと見始めた。
後半、試合開始のホイッスルが鳴って、カオスのボール。バーンはすぐに後ろにいたネッパーにバックパスをした。ネッパーはそのままドリブルで上がっていく。前に鬼道が止めに入った。これはパスをするしかない。左サイドに上がっていたリオーネを見たが、右サイドにいるヒートにパスを出した。その隙を見て、塔子がパスカットした。すぐに近くにいたアフロディにパスをつなげる。
ア「<ゴットノウズ>!!」
グ「<バーンアウト>!」
<ゴットノウズ>を出すアフロディと相手GK、グレントの<バーンアウト>がぶつかり合った。しかし、決着はすぐについた。<ゴットノウズ>の威力が、はるかに高く、簡単に技を打ち破った。ゴールにボールが突き刺さった。
開始30秒で追加点をした。その後の試合展開はすごい物だった。カオスのリズムをほとんど崩していったのだ。<爆熱ストーム> <ゴットノウズ> <ツナミブースト> <プラズマアロー> <デスゾーン2>がゴールに入った。驚異的な追い上げで点数は7−10になる。
?はカオスの異変に気が付いた。今のカオスは仲間割れをしていることに・・・・
?「仲間割れしているようじゃ勝てるものも勝てないな。このままだと、カオスは負ける・・・・・この逆境の中、バーンとガゼルはどう動くかで、試合は波乱を呼ぶだろう」
バ「こいつら、何をやっているんだ・・・・」
ガ「どうやら教えてやる必要がありそうだな。この試合の意味を」
?の言葉は的中した。バーンとガゼルは試合再開するなり、イキナリ飛び出して二人で攻め上がっていく。あっという間にゴール前に着き、バーンがボールを蹴り上げた。そして、同時に高くジャンプした。颯音は直感で分かった「このシュートは打たせてはいけない」と急いで二人がいる所へ走った。
ガ「これが我らの力!」
バ「宇宙最強チームの力だ!!」
颯「くそっ!間に合わない・・・・」
空中でバーンが炎を足にまとわせ、ガゼルが足に冷気をまとわせた状態で同時にシュートをした。つまり、このシュートは合体技だ。炎と冷気が合体し、ドリルのような回転をしながら雷門ゴールへ進んだ。