二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.317 )
- 日時: 2011/12/15 16:31
- 名前: まい (ID: cBiB9/nf)
〜第16話〜「カオスの逆襲、そして・・・・」
バーンとガゼルが打ったシュート・・・・<ファイヤブリザード>を止めようと立向居がまた<ムゲン・ザ・ハンド>を出す。しかし、<ファイヤブリザード>はいとも簡単に<ムゲン・ザ・ハンド>を打ち破ってゴールに突き刺さった。これで点数は 7−11だ。
あのプライドが高い二人が一緒にシュートを打った・・・・・雷門もプロミネンス側もダイヤモンドダスト側も驚きだ。このプレーでカオス側は「仲間割れしている場合じゃない」ことを痛感した。
試合再開して、颯音がキープしていたボールはドロルに奪われてしまう。ドロルは近くにいたネッパーにパスを出した。ネッパーはそのまま一人で持ち込む。華麗なドリブルで次々と雷門側へ攻め上がっていった。
すると、円堂、塔子、土門が三人がかりでネッパーを止めようとした。近くにいるリオーネがこっちにパスを出せという合図を確認する。もちろん、リオーネはダイヤモンドダスト側だ。
その時、ネッパーの脳裏に<ファイヤブリザード>の様子が浮かぶ。二人が協力して打ったシュートを・・・・・二人はこの試合にすべてを懸けている。それなのに自分はずっと意地を張っていていいのか?
ぎりぎりまで三人を引き寄せて、ネッパーはリオーネにパスを出した。これには、鬼道と颯音が驚いた。
ネ「上がれ、リオーネ!任せたぞ!」
リ「分かった!」
颯「まずい!リズムが変わった・・・・」
パスをもらったリオーネはそのまま上がり、ボールを蹴り上げる。それと同時に近くにいたバーンとガゼルが飛び上がる。また、あのシュートを打つつもりだろう。打たせたら、確実に得点につながる。
綱「させるか!」
綱海はバーンとガゼルよりも高く飛んで、パスカットして、颯音にパスを出す。なんとか、ピンチをしのぐが、完全に流れがカオスに来ている。このままだと、カオスが勝つ。そう颯音は思った。
颯「でも、負けるわけにはいかない!!」
ドリブルで突っ込み、相手のペナルティエリア辺りに来た。あと少しすれば、シュートが打てる。残り時間と四点差を考えれば、そろそろ得点を入れておきたいもの。
その時、正面からボンバが<イグナイトスティール>を発動させ、向かってきた。颯音は怯まず、ボールを器用にキープしながら飛び越えた。着地した瞬間、今度は正面からゴッカの<フローズンスティール>が迫ってきた。さすがの颯音もかわせず、必殺技の威力によって体が空中に吹き飛ばされてしまう。地面に着くスレスレで受け身をする。そのおかげで、幸い怪我はなかった。一方、ボールは弧を描き、ラインの外へ飛んでしまった。颯音はゆっくりと立ち上がってボンバとゴッカを見た。
颯「あいつら・・・・・こんな息の合ったコンビネーションを試合中に身に着けたのか?」
だとすれば、あのダブルディフェンスを破らない限り、追加点は出来ない。しかし、突破できる可能性はわずかだがある。
あのディフェンスの連続必殺技を出す間に隙があった。その隙をつけば破れないことはないだろうが。問題は、それを突破できるスピードを出せる者は、風丸や吹雪・・・・それに暁しかいないだろう。今のメンバーで突破できるのは難しい。
もう少し様子を見て、確実にかわす方法を探すのがいいのか?だが、残り時間を考えれば、そんな分析している余裕はあるのだろうか?そんな思考が浮かび上がる。すると、アフロディが颯音の正面に立った。
ア「僕に任せてよ。東條君・・・・あのディフェンスは僕が破る」
颯「な、何言っているんだ!?あの必殺技は簡単には破れない!それに、大怪我をしたら・・・・・」
ア「大丈夫だよ。どんどんボールを僕に集めて」
この時、アフロディの目を見て颯音は思った。
この人に何を言っても無駄だ・・・・・ダイヤモンドダスト戦の時から感じていたが、この人は一度決めたらやり遂げるまでやめない。頑固者のようだ。その証拠に、アフロディの瞳が強く自分に訴えている。本当は止めたいところだが、アフロディの信念を曲げるのは颯音には出来なかった。
颯「分かった・・・・でも、無理だと思ったらすぐにやめろよ!」
ア「心配してくれてありがとう。東條君」
颯「心配なんてしてねーよ!大怪我しても知らないからな!!」
颯音は暁以外の人に振り回されるのはこれが初めてだった。とりあいず、思い切り怒鳴りつけた。本人は無自覚だが、周りから見れば照れ隠しとしか見えない。アフロディは細かく体を震わせながらクスクスと笑っている。
颯「あの野郎・・・・絶対に俺を弄んで(もてあそんで)やがる!後で覚えておけよ・・・・」
颯音は心底思った「こんなに人にムカついたのは初めてだ」と。
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試合が再開して、アフロディがドリブルして突き進んでいる。すると、ボンバが<イグナイトスティール>を繰り出す。アフロディはすごいスピードで抜いた。しかし、ゴッカが<フローズンスティール>を繰り出した。かわし切れず、バランスを崩し、吹き飛ばされてしまう。ボールもカオス側にわたってしまった。幸い、無傷で済んだが、いつまで体がもつのかが分からない。
アフロディの体が悲鳴を上げるか、それとも攻撃の突破口を開くのが先か・・・・・時間の問題だった。
それから、数分に及んでアフロディはずっと必殺技を受け続けた。足や腕にあざが見え始める。このままだと、体が壊れてしまう —————— 見ているのも限界に感じた颯音は止めに入った。
颯「やめろ、アフロディ!これ以上やると・・・・」
ア「もう少し、やらして・・・・まだ、僕は「無理」と思っていないよ」
颯「思っていなくても、体が限界だろう!もういいから!」
ア「僕はやめない。早くポジションに着こう」
そう言って、ふらふらの体でポジションに着いた。もう自分はどうすればいいのかが、颯音には分からなくなってきた。
また、アフロディがドリブルで攻め上がっている。目の前にはボンバとゴッカが走り出している。これを受けたら確実に体を壊してしまう。「やめろ」と颯音が叫ぼうとした。次の瞬間、空から黒いボールが三人の間に落下してきた。三人ともその反動で吹き飛ばされ、辺りが煙に包み込まれる。
煙が晴れると、そこには空中に浮いているエイリアボールだった。バーンやガゼルがフィールドにいるから、他の者が蹴ったに違いないだろう。
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「みんな、楽しそうだね」
その冷たい声は、スタジアムの屋根の上で聞こえた。