二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.321 )
日時: 2012/02/19 19:14
名前: まい (ID: a2VLYb41)

〜第19話〜「迫ってくる決戦」

富士山のふもと付近に建てられていた怪しい建物の近くにキャラバンを止めて、降り。建物を見上げた。建物の構図はよく分からないが、特別なもので造られたようだ。
その時、岩陰からコツコツと足音が聞こえた。警戒しながら振り向くと、そこには、白いひげに特徴的な紫色の上下にサングラスにバンダナをしている人物だった。テレビで見たことある顔・・・・・FFで雷門の監督をやっていた響木 正剛だ。
 見覚えのある人物で円堂が響木の近くに行き、質問をぶつける。

円「響木監督!? 今まで、どうしていたんですか? それに、どうしてここに?」
響「俺はこれまで、エイリア学園の謎を探っていた。そして、やっと答えにたどり着いた・・・・エイリア学園の黒幕はお前だ!」

響木が指した先には紛れもなく、瞳子監督だった・・・・。
瞳子監督自身も肩が少し跳ねた。どうやら、本当に何かエイリア学園と関係があるみたいだ。

響「円堂達をジェネシスと戦わせるのなら、すべてを語る責任がある」
瞳「すべては・・・・・・あの中にあるわ。今からあそこに突入します」
颯「マジかよ。あんな物騒な建物の中に」
豪「俺達はもう、エイリア学園と関係している。いずれは対決になるのは知っていただろ」

豪炎寺の言った通りだ。こうなることは分かっていたはずだ。ここでビビっていたらせっかく、決めた覚悟も無駄になる。ここから、響木と一緒に行動することになった。
裏口に回り込み、大きくて丸い頑丈な扉が現れる。右隣にある小さな承認コードを入力する装置が設置されていた。
瞳子監督はキャラバンを降りず、携帯を操作して重々しいドアが開いた。どうやら遠隔操作ができる最新式のセキュリティのようだ。
 だが、これでまた謎が深まる。瞳子監督はどうして、暗証番号を知っていたのか?それにどうして、この雷門イレブンの監督を務めていたのか? スパイだったら、とっくに裏切るはず。
 考えられる可能性は—————

暁「まさか・・・・・な」

考えすぎだ。そう自分を説得し、思考をストップさせた。自分が一瞬思ったことを口に出してはいけないのが分かってしまったから。どうせ推測通りだったら、瞳子自身が答えた方がいい。頭の隅にそう焼き付けておいた。





建物の中に入れば、キャラバンも入れる高さの天井があった。ただ広い銀色の廊下や、またどっしりとしているドアが続いているだけで宇宙人らしき者は一人もいなかった。窓から下を見れば、超巨大なデパートのように形態だ。
しばらくキャラバンを進ませれば、一階の広間に着いた。ココが一番怪しい場所である。

鬼「監督。此処は一体、何のための施設ですか?」
瞳「吉良財閥の兵器研究施設よ・・・・・私の父、吉良 星次郎が吉良財閥の総帥なの」

瞳子の口から思いがけない言葉が発せられる。全員が唖然とする中、暁は一人、納得できた。
 これほどの基地を建設するなら、莫大な費用が掛かる。ただの金持ちではとても建設できない。しかし、財閥なら話は別。この基地の建設にTV中継を独占したり、総理大臣の居場所を特定して裏で闇組織を雇えば、誘拐も可能だろう。

暁「では、どうして監督の父さんはサッカーを兵器の道具にしたのですか?」
瞳「すべては、エイリア石から始まったの」

【エイリア石】その石の存在が今回のエイリア学園騒動が起こった。たった一つの石で日本を・・・・世界を巻き込む出来事が起きるのだろうか。
なら、なぜサッカーを使って世界を侵略しようと企んでいるのか。それがよく分からない。
 次の疑問を問いかけようとしたとき、正面のドアがゆっくりと開く。まるで、こちらを招くように。
 ここまで来たら後戻りはできない。しかし、ドアの大きさはキャラバンでは入ることが出来なさそうだ。しかたなく、歩きで先に進んだ。





その頃、何処かは分からない。ただ見えるのは日本家屋を意識したある和室の廊下にカコーン・・・と竹筒が支持台から発生する音が部屋中に響いた。
濃い緑色の栗頭に顎まである耳たぶ、額には黒子(ほくろ)の人物が茶を啜って(すすって)いる。少し離れたところに青白く目の下にはクマ。かなり長身で灰色のスーツを着た男が正座をして茶を啜っている人物に頭を下げていた。

「雷門イレブンが侵入しました。只今、例の部屋まで誘導していますが。どうされますか?」

「そのまま誘導してください。彼らがココに来たということは、瞳子も私の意図がようやく理解できたからでしょう・・・・・・まずは、アレを送り込んで実力を拝見しますか」

「では、直ちに」

男は立ち上がり、部屋を出ていった。もう一人は目を少しだけ開けて。薄い笑いを浮かべて。ただ、上を見上げ呟いた。

「いよいよ・・・・・あの計画が実行する時が来ましたね」





少し広い廊下に集団で歩いているので少々、窮屈(きゅうくつ)になる。どんな罠が仕掛けられているのか分からない状況だと離れて歩くのは危険だ。歩いている廊下はかなり入り組んでいてもはや迷路に近い。
今は一本道に伸びている廊下のど真ん中にいる。

颯「なぁ、アレはなんだ? ヒトみたいだけど、ヒトじゃなさそう」
土「どっちだよ」

突然、颯音が立ち止り、指であるものを指した。視線で指した方向を追うと。人のような形をしたものが七体ほど、二本の足で立っている。
「ような」というのは、明らかに首が人間では回転できないであろう角度で回っていて、動作がカタイ。何よりも怪しいのは腕の部分にサッカーボールを挟んで持っていることだ。
見張りだったら、ボールなんて持つ必要はない。なら、結論は一つ

暁「侵入者を見張るものじゃなくて、見つけ次第に排除するロボットだな。一本道だから、急がば回れって言う策は使えない。どうする?」
円「正面突破に決まっているだろ!」
暁「同感だな。突っ込むか」
鬼「お、おい!」

鬼道がそれを阻止しようとしたが遅かった。
ロボットに向かって二人同時に走り出す。気合で乗り切ろうとするのはいいのだが、ロボットが反応し。低いノイズが掛かったような声を発する。目の部分は赤く、チカチカと点滅し、ターゲットを絞り込んで警告を出す。

『侵入者あり!侵入者あり!排除、排除、排除!!』

足を振り上げ、そのまま同時に強烈なシュートの嵐が二人に向かう。
円堂はギリギリまでボールを引き付けて四つパンチングする。残りの三つは暁がロボットのリズムを読み取って無駄な動きなしで軽々と避けた。

円「すごいな。暁!」
暁「所詮、作られた機械だ。リズムのパターンが見え見えなんだよ。お前も前より動体視力が良くなったみたいだな」

褒められて思わず照れ笑いする円堂。だが、避けるだけではロボットは壊せない。後ろにいるマネージャー達の事を考えれば、カメラがあると思われる顔の部分を狙うのがいい。そうすればきっと機能が止まって倒せる。
 暁は目を大きく開けて、じっと狙いを定め始めた。

『排除!排除!排除!!』

暁「排除は勘弁だ。邪魔だぞ」

一体のロボットが打ったシュートを寸前で避け、空中にボールが体の横に浮く。そして、そのまま強烈なボレーキックをくらわせる。狙い通りにいき、縦一列になっているロボット全体の顔に当たる。
すると、まるで糸が切れた操り人形のようにひざ(正確にはひざと言うべきところ)から引力に従って地面に倒れた。

円「よし!これで先に行けるな」
颯「あ ————— !! もう、倒したの!? 混ざって一緒に倒したかったのに!!!」
暁「あのな・・・・・遊園地のアトラクションじゃないから。はしゃぐなよ」

ため息をつきながら、颯音に鋭いツッコミを入れる。
しかし、ロボットがいたともなると、この奥には、重要な部屋がある。あるいは、エイリア学園の本当の黒幕・・・・・吉良 星次郎が待っているからいたのかもしれない。
エイリア学園の真実は吉良 星次郎に直接聞きこむしかない。だが、必ずジェネシスと対決する運命が待ち受けている。
暁は自分の心臓の音が大きくなるのを感じ取れた。