二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナイレ】〜俺のサッカー〜『第七章・明かされる記憶』 ( No.344 )
- 日時: 2012/08/31 22:31
- 名前: まい ◆nkg.2sWI0U (ID: .057oP6P)
〜第28話〜「試合終了」
試合再開のホイッスルが鳴る。すると、やはりジェネシスは速攻で強引なドリブルで雷門 D F 陣を抜いていく。その姿は父親への執着すら感じた。ティム、ウルビダ、グランが一か所に集まって再び、あの最強技を繰り出す。
「<スペースペンギン>!!」
立「<ムゲン・ザ・ハンド>!!」
最強技と究極必殺技の激しいぶつかり合い、その激しさは風圧で周りにいる味方が吹っ飛ばされそうだった。やはり<スペースペンギン>の方が<ムゲン・ザ・ハンド>よりも力があるか、徐々に後ろへ押されていく。
速攻で引き分けにもつれ込んだが、問題は時間が残り8分と言うことだ。一瞬の隙をついてまた点差を広げられたら負けるのは目に見えていた。ここから奇跡の逆転するためにはもう一度、相手からボールを奪って速攻を仕掛けるしかなかった。この得点で奴らも今まで以上に本気になることも承知でやったことだ。そして、この最強必殺技を止めるしか方法もない
颯「頑張れ!! 立向居!」
立「止めてみせる・・・・もう、一点もやるわけにはいかないんだ!!」
すぐに立て直して立向居は踏ん張り、手を前に出す。すると、4対のペンギンが<ムゲン・ザ・ハンド>の手に包み込まれて、やがて技の力が衰えていく・・・・そして、立向居の腕にしっかりとボールが収まった。
ウ 「そんな・・・・ジェネシスの最強技が・・・・」
グ 「どうして、決まらないんだ!」
ティ「・・・・・。」
隙が出来た。一瞬でジェネシスの士気が下がった今しか反撃のチャンスはもうない。そう判断した暁は息を大きく吸い込んで大声で指示を出した。
暁「今だ! 反撃開始!!」
それを合図に立向居はある思いを込めたボールを綱海へパスする。そしてまた、綱海も同じ思いを込めたボールを壁山へ。また壁山も同じ思いを込めたボールを木暮へ。そこからは暁、土門、颯音、鬼道へとパスがつながる。不思議とその思いを込めたボールはジェネシスに奪えなかった。
ふとここで、円堂は裏ノートの事を思い出す。あれに記された究極最終奥義。それは11人の心が一つとなった時に発動できる。サッカーを愛し、互いに仲間を思う心の力を感じ取れる特別な必殺技。それが・・・・・<ジ・アース>の正体だった。
吹雪、豪炎寺、円堂がゴール前へ一直線に走り込んだ。11の光が三人の周りに分かれる。そして、三人に共鳴するかのようにエネルギーが包み込んだ。同時に三人がボールと共に空中へ飛びあがってボールを蹴り込むと11の光はやがて一つの光となり、巨大なエンエルギーとなって敵ゴールへと向かう。
「<ジ・アース>!」
一気に5人も吹き飛ばしてゴールするとか思ったが、グランとウルビダがそれを阻止しようとゴール前まで戻ってきた。二人が光のエネルギーを足で止めにかかる。
ウ「我らジェネシスは勝たなければならないのだ!」
グ「父さんのために!!」
しかし、その巨大な力の前では無理だった。光のエネルギーは二人も吹き飛ばしたからだ。ゴールネットは大きく揺れて、地面へ転がる。それと同時に試合終了のホイッスルが鳴り響いた。 4−3で雷門の勝ちだ。
勝利した雷門は、円堂の周りに集まって喜びの声を上げる。一方、ティムはグランへと足を進める。
ティ「負けたね。私達・・・・」
グ 「ティム・・・・」
ティ「ヒロト。やっぱり、仲間って素晴らしいものよ。それに今、気が付いたでしょ?」
言われてみれば、なぜか心が軽くなった。なぜだろう? 負けて悔しいはずなのに、今まで苦しませていた心の闇がなくなったかのように解放された気分になった。それは、円堂という人格が自分を救ってくれたのかもしれない。そう考えれば、自分が一番欲しかったものは信じあえる仲間がほしかったのだろう。その答えにたどり着いた・・・・。
グ 「うん。仲間ってすごいんだね」
ティ「そうね・・・・・アンタのその頑固頭にも分かってよかった」
グ 「その言い草はないんじゃない?」
ティ「さぁーね。これですべて終わった訳じゃないし」
そう言ったティムの視線の先には星二郎がいた。その姿は先ほどとは明らかに違っている。あの醜い心すら感じない。深く反省しているように見える。ゆっくりとこちらへ近づいて来て俯きながらヒロトと人込み監督へ口を開いた。
星「ヒロト、お前達を苦しめてすまなかった・・・・・瞳子、私はあのエイリア石に憑りつかれていた。お前が・・・・いや、お前のチームのおかげでようやく分かった。ジェネシス計画そのものが間違っていたのだ」
『間違っていた』 その言葉を聞いてウルビダの中で怒りが一気に湧いてくる。
——— ふざけるなよ。こっちは誰のためにサッカーをしてきた? 誰のためにジェネシス計画に賛同した? 誰のために人を傷つけてきた? 誰のために強くなるために戦ってきた? 私たちはアンタのためにすべてを捧げたんだよ。それなのに・・・・・今更、間違っていただと? 気が付けば頭より体が動いて、ボールも手にしていた。
ウ 「ふざけるな!・・・・これほど愛し、尽くしてきた私達をよりにもよって、貴方が否定するな!!!」
ティ「れ、玲奈! やめなさい!!」
ティムが止めに入ろうとしたが遅かった。ウルビダはボールを地面に叩きつけて、思い切り星二郎に向かって、シュートをする。特殊な特訓をしてきたジェネシスの一人。ウルビダだ。一般人がモロにくらえば、重傷は避けられない。
ティ「避けて! お父様!!」
瞳 「父さん!!」
あっという間にボールが目の前まで迫って来る。覚悟を決めた星二郎は目をつぶる。次の瞬間、星二郎は痛みを感じなかった。いや、前にグランが現れて星二郎をかばったのだ。鈍い音と同時に腹へドリルのような回転の強烈なシュートが入る。徐々に回転は治まるが完全に止まった時、グランは膝から崩れ落ちた。