二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: めだがボックス  Unfair life!! 色々変更(( ( No.10 )
日時: 2011/03/19 21:43
名前: 五十嵐 ◆geiwiq3Neg (ID: WgY/GR3l)



ここ箱庭学園は、生徒会長が1年生でおまけに女。
しかも生徒会委員は全員そろっている訳じゃないし、ただ今その事について生徒会‘戦挙’が行われてる真っ最中!
そんな中僕の普通の学園生活が———結論からして始まる訳がない(笑)

「ふ…ふざけんなクソッタレぇぇぇぇ—————————!!」

そしてその事を知り、そうヒステリーを起こしたかのように叫んでしまったのは、
僕、永禮椎也の人生最大の失態だった。





箱庭学園1年1組教室…僕が転校して早1週間が経つ。
僕は友人にも恵まれ、まずまずと言っていい程“普通”の生活を送っていた。
そして同時に、学園生活にも慣れてきて、この学園の事も大体分りかけていた。

僕が人生最悪の失態を犯したのは、ちょうどその時だった。


「…ねぇ、善吉君。この学園って少し変わってるよね?」


始まりは、僕が目の前の席に座る人物に学園について尋ねたことから始まった。
1年でありながら生徒会長庶務を務める彼は、人吉善吉という。
僕がこの学園で最も疑念を抱いている“生徒会”のメンバーの一人だった。

この質問をするのは、初めてではない。これで大体三度目だと思う。
しかし、それに伴って毎回邪魔ものが現れて、答えを濁してしまう。
答えが分らないまま、僕は1週間を過ごした訳だが、あえてその邪魔者という奴の名前を教えよう。

———不知火半袖。

最初来た時は1年1組であった彼女は突然姿を消した。
それは、“-13組”へと移籍したからだ。
と言う事を何故知っているかと言うと、そりゃ簡単な事。


僕、永禮椎也は元々-13組の生徒だからだ。


あぁ、違う違う。-13組から移籍した訳じゃないよ?ココ重要だから。
何か知らないけど、-13組という場所は過負荷というものを持った人が集まる場所…そう学園理事長から聞いた。
僕は学園理事長からこの学園へ来るようスカウトされたから、少々そういう“どうでもいい事”を教えられた訳。
そんで、僕も何故か分らないけどその-13組行きだった…らしいけど————オカシイでしょ?



だって、僕は普通で普通すぎるありきたりでどこにでもいる様な健全な男子生徒だし。
そんな僕がオカシな奴等のいる所へ行く義理も理由もないのだ。



「——— そう言えば、前にもそんな事言ってたよなーお前」
「仕方ないじゃん、邪魔が入って結局君の結論を聞いてない訳だし」

と、そこで善吉が言葉を紡いだ。
尋ねてからそんなに時間は経っていないが、僕にとってこの言葉を聞くのはえらく長く感じだ。

いつもならここで、天敵(不知火)が現れる所だから。
不知火が邪魔から天敵へと昇格したとか、そこはポイントじゃないから突っ込まないでね。

しかし今は彼女はいない。-13組とやらにいる筈だから。

「っつわれてもなー、別に俺は変とは思わないぜ?」
「そんな訳ないよ。僕が“普通”にオカシイと思ったんだよ?」
「…大体お前な、何を基準にそんな事言って——————」

ピタリ。
彼はそう言いながら僕の方へ振り向き、そして突然言葉を止めた。
そして何故か「やっちゃったよ、コイツ」という感じで溜息をついた。

「…大体お前————俺から見たらお前の方が普通じゃねーよ。お前、教室でなんて本読んでんだよ」
「えちぃ本」

その時、何故か教室がシーンと静まりかえった。

「こんなの普通でしょ?年頃の男子は喜んでこんなの見るんじゃないの?」
「だから何を基準に普通って…」

“最早呆れかえって言葉も出ない”という感じで僕の持つ本から目を背ける善吉。
だが僕はそれを理解できなかった。

「何を基準って…僕が普通だと思ったからだよ。ね、君モソウダロ?」

「…、…?……!?」

善吉は、ハッとしたように目を見開いた。
まるでそれは、自分の間違いに気づいた時の様に。
そして善吉が何かを言おうと口を開こうとした時—————



「あひゃひゃ☆そんなの普通じゃないに決まってるじゃん!」



——僕の天敵が、その言葉を遮った。
そしてその瞬間、僕の手元にあった本がスルリと彼女に抜き取られる。

「…不知火!」
「やっほー善吉。何々、アンタもこう言うのに興味あるんだ?いや、それが“普通”なのか!」
「……は?んな訳ねーだろ」

僕がトゲドゲしく彼女の名前を呼ぶも、彼女は相変わらずのペースでペラペラと会話を始めた。
すると善吉は少し首を傾げながらも、そう言った。
何か善吉君に裏切られた気分するなぁ。

「———で、転校生の永禮椎也君。君には用事ができたから本当の事を言ってあげるよ。


 この学園はオカシイどころじゃなくて、君からすれば狂ってるかもね!(笑)」


「は?」
ある意味質問に対しての答えという点では聞きたかった事だが、それは答えとしては聞きたくないものだった。

「解ってないみたいだから、よーく聞きなよ?

 ———この学園の生徒会長は1年それも女!
 しかもしかも、生徒会メンバーは全員揃ってないし、今その事について‘生徒会戦挙’が行われてる真・最・中☆
 あひゃひゃひゃ!“普通好き”の君にとっては最悪だろうね!この学園」

…「何故人が嫌がると分ってる事を楽しそうに言う?」と、
余裕があれば言うだろう。でも、僕はそれを聞いて全思考が停止する程強いショックを受けた。

「…生徒会長が1年生の地点でオカシイのに…ソイツが女で、しかも委員が揃ってない!?
 んで今、何か騒がしいと思ったら…生徒会を決める選挙をこの時期にしてるだって!?」

ニタリと、笑って彼女は頷いた。

それを見て、聞いて…僕は叫んださ。
何が普通の転校だ、僕はとんでも無い所に来てしまったらしい。



「ふ…ふざけんなクソッタレぇぇぇぇ—————————!!」



ドシャアッ

そして僕はそのまま椅子ごと後ろに倒れ込んだ。
頭を強打して動けなくなっているのを見て、再び不知火は笑う。

「あひゃひゃ!頭打ってやんの。でもこっちの方が都合がいいからいいや。
 お粗末様でーす、転校生。ま、同情はしないケド☆

 んじゃ善吉、あたしはコイツに用があるから連れてくねー」

そして一気にそこまで言うと、混乱状態の僕を無理やり引っ張っていった。
不知火に声を掛けられた善吉はというと、呆けを交えたようにただポカーンとしているのであった。


「さって、アンタには“追加プランC”で大いに活躍してもらうから、そのつもりで!」


廊下を出て強引に連れていかれていく途中、不知火にそんな事を言われた気がしたが…はっきりとは覚えていない。
これが全ての元凶で、僕にとっての“非日常”の始まりだった。