二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: めだかボックス -奇特な存在- ( No.54 )
日時: 2011/04/04 14:59
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)

 その男は、黒神めだかに面倒くさそうに問う。 実際、頭をかきむしっている辺りなんでここに居ないんだよコノヤロー的な心情なのだろう。

 「すまないが、今ここには居ない。 投書の内容を処理するらしいのでな。 すまないが、探してみてくれ。 ここに戻ってきた場合はここに居るよう引止め、私が亜鬼崎、貴様を探しに行く。 それでどうだ?」

 「ああ、分かった。 ありがとうな、生徒会長」

 その言葉とともに、鬼矢はその場を後にした。 それとほぼ同時。 鬼矢は善吉と鬼無里の目の前に突如姿を現した。 前触れも無く、音も無く、それこそ、突然ここへ、空間を飛ばして来たかのように。

 「お前が、鬼無里が。 話しは理事長から聞いてるぜ、何だって、覚えて使う奇特な能力があるらしい。それが本当ならお前の能力……俺の能力と似ているな。 見せてくれよ、その学習能力って奴を!」

 鬼矢は面倒くさそうに手の平を宙に掲げ、そこに炎の渦を生み出す! それは見る見るうちに大きくなり、あっさりと鬼無里と善吉を飲み込んだ。

 「まあ、所詮こんなもんか」

 「何だってんだよ、全くよ……鬼無里といい、今のお前といい。 他人の能力を使うのが流行ってるのか?」

 欲視力【パラサイトシーイング】でそれをかわした善吉が鬼矢の前に躍り出る! だが、特に反応もせず、

 「そう言えば、忘れてたな。 その目のこと。 お前に危害加えるきはねえから、黙ってそこで見てろ。 その目も俺には効かないようにしたから。 ……あの女、単に身体能力だけであの炎の渦から抜け出しやがった……!」

 鬼矢の横に、鬼無里が立っている……? 何時の間に!
 だが、次の瞬間、善吉の視界は真っ黒に染まった。 誰かが、気絶させたのだ。

 「あのさ、学園壊すのは止めてもらえないかな? ボクとしては生徒が苦しむさまを見るのは好きじゃないんだけど……?」

 鬼無里が……怒っている? 
 だが、鬼矢は特に気にした様子も無く、

 「お前の能力を俺は知ってる。 だが、お前の能力では俺の能力は覚えられないと言うことも分かる。 同じ能力で反撃してこなかったからな。 で、更に言えば俺には全ての異常性、過負荷はきかねえ。 まあ、≠はどうかしらねえが、お前の異常性や過負荷も全て問題外だ。 で、そんな俺をどうやって止める? 鬼無里……皇」

 「問題ない、ボクの応用能力で止められる。 君の能力もまあ、わかんなくは無い。 と言うか、ボクの知能指数を一気に上げた結果から言えば、それこそ全知全能と言った所だよ。 まあ、それにも一応はボクのスキル、正直者の嘘八百【オールリアル】を使っての分析だからね。 キミに対して干渉しなければボクの能力は使えるらしい。 けれど君の能力も確かに脅威だ。 現存する異常性と過負荷が効かないとなると、ボクにも確かに相当きつい。 生徒会長でも副会長でも止められはしないだろうね。 けれどキミには物理攻撃が効く。 ニンゲンが元から兼ね備えているスキルであれば、当たると言う弱点も併せ持ってる。 さあ、どうだ!」

 鬼矢は楽しそうに笑うと、

 「まあ、正解だな。 でお、俺をどうやって止める? ほら、校舎が壊れるぞ? 下敷きになる生徒が居るかもな」

 「いやー、それは無い。 ボクのスキルの一つ、不幸中の幸い【バッドミラクル】で、そこに生徒が寄り付かないようにも出来るし、居たとしても軽症だ。 命に関わる傷にはならない。 それに、いざとなれば大嘘憑き【オールフィクション】での瞬間回復も可能だし、特に生徒のことは問題ない。 ほら、おいでよ。 ボクの能力が学習だけと聞いてきたのが間違いさ、ニンゲンとして元より持ち得ている応用力に探究心も、ボクには強力な武器となる」

 その直後だった、筋骨隆々の一流アスリートとも見間違うそれが飛んできたのは……。 

 「誰?」

 その飛んできた男に、鬼無里は躊躇無く問いかける。 何だこの神経の無駄な図太さは……。

 「あ〜、オレ御御神零無。 ついさっき転校手続きしてきた転校生だ。 いちおー宜しく。 あ、クラスは13組な」

 気さくだ……。 だが、その気さくの裏には、とんでもないバケモノが住んでいる!

 「それでだな、オレは戦争の引き金をつくりにきたんだがー、誰をぶっ殺すか〜って悩んでてよ、丁度いい。 お前等二人、まず獲物第一号と二号だ」

 突如、彼の態度が豹変した。 明らかな殺気と、有り得ない運動能力で、一瞬のうちに鬼無里に反応させる間も無く後ろから羽交い絞めにする! 流石にこれは相当効くらしい、

 「う……ぁ……。 降りろ! ボクから降りろ!」

 鬼無里は顔を真っ赤にして叫ぶ。痛みで叫んでもいいところなのだが、叫ばないで怒鳴る所は流石と言うべきか。

 「俺を無視とは、いい度胸だ!」

 鬼矢が後ろから拳を振り下ろす! だが、その拳を零無はいともたやすく避け、勢い余ってその拳は鬼無里の顔面に直撃した。 だが、特にダメージを追った様子は無い。

 「力の抹殺者【パワーイレイザー】だよ。 物理攻撃の類をボクの体を貫通させる能力だから、皆足元に気をつけて」

 ダメージが入ってきた方向から直線で貫通させ、外へダメージを逃がす! だが、その鬼矢の拳の衝撃を受けたのは学校の屋上。 見事に足場が崩れ、4階へと全員が落ちた。