二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: めだかボックス -奇特な存在- ( No.82 )
日時: 2011/06/18 15:35
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: jrQJ0.d7)

 「ではそろそろ、特殊性【インジュビデュアルティ】の正式な教室を用意しなければいけないと思っているのですが、鬼無里さん、どうしますか?」

 理事長が椅子に座り、鬼無里と対峙する。 もちろん、警戒心など皆無といってもいい。

 「理事長先生、もう少し警戒した方が良いんじゃないですか? 球磨川先輩みたいな血の気の多い生徒もいることですし」

 鬼無里はそれを、指摘する。
 だが、理事長は微笑むと、

 「鬼無里さん、貴女はそういう人間ではありませんから。 私に危害を加えるとは思っていませんよ」

 理事長は最もな意見を鬼無里へと返す。 確かに、その通りだ。
 着なさは攻撃されたりしなければ、自ら攻撃するような真似はまず無い。

 「そうですか、では本題に戻って……正式な教室……でしたね。 理事長としてはどこをお考えで?」

 「そうですね……」

 理事長は少し考え込んだ。 その間に、

 「ゴーストバベルのマイナス13組が使っていない教室がまだありましたから、そこで良いのではないですか?」

 着なさが理事長のはじき出した結論と一語一句たがわぬ言葉で提案する。 さすがに、理事長はそれに驚いたらしい。
 理事長は疑問符を浮かべ、

 「なぜ私の考えていたことを……」

 「簡単な話です。 今までに学習したことから予測を立てました。 ボクに感情の読めないのは悪平等【ノットイコール】の安心院さんと鬼矢くんだけですよ」

 鬼無里は周囲を見渡すと、付け足すように

 「契 楔くんも中々読めないですね。 隠れてないで、出てきたら?」

 鬼無里は壁に向かって名前を呼ぶ。 すると、壁から這い出したかのように長い黒髪の女が理事長室に出現した。 いや、元々居た。
 彼女の能力だろう。

 「君の能力、ちょっと不便だけど効果は絶大だね。 で、お客さんが来るから隠れてたの?」

 「うん、そうだよー」

 『警戒しないでよ、ボクは君に危害を加えるつもりは無いぜ?』

 鬼無里は球磨川を真似たような敵意を感じずに入られない口調で楔に話しかける。
 だが、

 「分かった〜」

 子供っぽく彼女は鬼無里へと返す。
 おもむろに制服のポケットから、千歳飴を取り出すと、彼女はそれを口にくわえた。

 「では、ゴーストバベルの空き教室を特殊性の皆さんが使えるように手配しましょう」

 「特殊性も登校免除組みですけどねー」

 理事長の言葉に、楔は的を射たツッコミを入れる。