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序章

神以外、入ることができない禁域。

そこに、まだ年若い女がいた。

この時代の女にしては短い髪。
それを、首の後ろで一つに結っている。
しかし、その髪の色は常人とは違う銀色。

女は空を見上げて何かを待っているようだった。

すると、人身姿をとった神が降りる。

それを見ると女は顔を輝かせる。
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神の名は高淤神。
ここ、貴船神社の祭神である。


そして、女の名は、雹音。
ここ、貴船の巫女である。
雹音は、神代の時代に人であることをやめた。

先日の妖異との戦いが彼女の運命を変えた。
そのことに、気づくものは、まだ誰もいない。