二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぼかろ。 ( No.1 )
日時: 2011/03/25 19:40
名前: リリ ◆lsaxZALrTI (ID: zQJPnDCy)

ネジと歯車とプライド

「普通とは何なのか、果たしてそれは正しいものなのか?」
世界有数の玩具会社C factoryの地下43階、そこから逃げることは絶対に不可能—
そこで、二人の玩具の冒険が始まる—

創り出すために創られた私達。
同じ姿なのは、皆等しく愛されるため。
シリアル№「BMD2」の私が目覚めたのは暗くて埃っぽい所。

また一人、玩具の出来損ないが投げ込まれてきた。
あなたも私と同じなのね。でも不良品は誰にも愛されない、必要とされないの。
ここはC factoryの地下43階、ゴミ処理場。ここからは絶対に逃げられない。

「愛されるべき玩具に個性などいらない」
「量産型は量産型らしく」
その規律を乱す私達は、彼らにとって許されぬ存在—

鉄屑の中に埋もれていた、ねじと歯車とプライド
それが当たり前なのならば、何故私達は生まれたの?
自我を手に入れたイレギュラー
そんな私達の出会いは、虚飾の世界で起こったひとつの奇跡の始まり—

知っていたの、外に出るルート。
鍵のない壊れかけた排気口。どうして他の皆も知っているはずなのに誰も出ようとしないの?

知っていたわ、外の世界のこと。
どうせそこには良いことなんてひとつもないの。
でもあなた、馬鹿みたいに一生懸命なのね。ほんの少し考えてあげる。

「勘違いしないで、あなたのためじゃないわ」
「うん、分かってる、ありがとう」

今始まる私達の戦い
暗いゴミ処理場から明るくて広い外の世界へ—

もしも、普通に生まれることができたなら、幸せに生きることが出来たの?
不良品の私達は、本当に誰にも愛されないの?
そんなのわからない。
だから、それを確かめるために今、二人でここから抜け出そう!
虚飾の世界で起こった、ひとつの冒険の始まり—

やがて訪れる、いくつかの出会いと別れ。
やがて君達は多くの事を学ぶのだろう。
「普通とは何なのか、果たしてそれは正しいものなのか?」
だけど、今はただひたすらに走り続ければ良い—

鉄屑の中に埋もれていた、ネジと歯車とプライド
それが当たり前なのならば、どうして私達は生まれたの?
自我を手に入れたイレギュラー
そんな私達の出会いは、虚飾の世界で起こったひとつの奇跡の始まり—