二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: とある魔術の肯定理論 ( No.3 )
日時: 2011/03/25 05:11
名前: 杏 (ID: Zqou3CL2)





-1st stage-
『最強って何だ?』




——ゴキリ。

刹那、何か硬いものが折れるような音が薄暗い路地裏に響いた。
だがそれが一瞬にして悲鳴に掻き消される。


「アアァァアアアァァアアアアアアッッッッ!!!!!!」


悲鳴を発した男の腕と足が可笑しな方向に捻じ曲がっている。

男の目の前に立つフードを被った少年には怪我の外傷はない。
だが、男の姿を見て笑ってはいた。


「なあ、アンタ」

「ひゅいまひぇん…ひゃ、ひゃめッッ」


男は歯をほぼ折られているのか、何を言ってるのかわからなかった。
だが、確実に少年を恐れていた。


「最強って何だ?」

「ひッ…ひゃらない…ほれは、」

「ああ、悪い。俺がアンタに聞いたのがバカだったわ」


悪い、と呟かれた言葉に男は安堵を浮かべた。
しかし、一瞬で恐怖に塗り替えられる。


「アンタは“爆死”な」


次の瞬間、男の頭がボンッ!!と凄まじい音をあげ爆発した。
血渋きが少年の顔やら服に付着する。

すると、おい、と少年の後ろから声がした。
振り向けば金髪の髪を後ろで一括りにした少女が立っていた。


「派手にやったね」

「しょうがねえだろ。まあ、あとはテキトーに頼むわ」

「はいはい」


その少女の手には、小さなサイコロが浮かんでいた。
サイコロが一気に強大化する。

大きなサイコロは、少年が男を殺した現場を飲み込んだ。
次の瞬間——地獄絵図だった現場は何事もなかったかのように元に戻っていた。


「明楽!終わった」

「おーさすが。元通りってかあ?」

「これでバレるこたぁねぇよ」


そう言うと、少女の手に握られていたサイコロを明楽と呼ばれた少年に投げた。
それを掴むとジーンズのポケットにしまう。


「蔡、お前、乙史の奴はどーした」

「ほっとけ。いつものことじゃん」


他愛もない会話をすると、煌びやかなネオン街へと足を進めた。




fin