二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【Kingdomhearts】 魂の断片 ( No.1 )
- 日時: 2011/03/22 22:52
- 名前: 弓弦 (ID: SUsN38YB)
Prologue 【時は満ちた】
ザァァっと波の音が響く砂浜に一人寝転がって、空を見上げる少年がいる。
海風が吹き、少年の髪に絡まり撫でると何処かへと過ぎ去って行った。
すると、少年に気付かれないように近づく少女が一人。
そして———
「わっ!」
「うわっ、お…脅かすなよ、カ——」
驚いた少年は慌てて起き上がって、少女に言う…。
****
巨大な摩天楼が聳え立つ、ネオン街。雨が激しく降り、そこを歩く黒いコートを着た者。
動くたびに銀色の金具はリズム良く音を立て、その場だけを賑やかにする。
黒いコートを着た者が歩いた跡から、黒い大きな影が一つ、二つと…。
そして、ネオン街の広場に辿りついた時には黒い大きな影に囲まれていた…。
「…邪魔を…するなっ!!」
その者の両手に現れる二つの武器。鍵の形をした剣が影を切り捨てる。
****
「っは! また……あの夢……」
瞑っていた瞳を思いっきり開けて、ベットから飛び起きてそう言った茶髪の少年。
額からは汗が滲み出てた雫が頬をつたって滑り落ちた。
深く溜息をついて、髪の毛を掻き上げると時間が気になり時計に目をやる。
時計の針は丁度、八時を指していた。じぃーっと暫く、眺めてから——
「…遅刻するじゃん!」
慌ててベットから飛び降り、閉じていたカーテンを開ける。
其処からは朝の日差しが入り、闇がとても嫌うような眩しさだ。
素早く学校の制服、学ランに着替えるとボストンバックを手に取り部屋を出る。
「行ってきます!」
ご飯も食べずにそう言って、家を出た主人公の青蓮院 奏馬であった…。
————
どこか違う世界———。
黒いコートを着てフードを深く被った者達が七人、集まった白い部屋。
そして、一人代表で前へ出ると窓の外にあるハートの月を仰ぐ。
——— 時は満ちた ———
Prologue End