二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【デュラララ】 闇の中の煌き ( No.2 )
- 日時: 2011/03/23 10:43
- 名前: ☆ちゅうりっぷ☆ ◆X1qjVcEwCQ (ID: IAQru7qe)
-001-
「蛍那!! きのうのめちゃイケみた? すっげー笑えたんだけど」
「見てないよ」
「見てないのーー!? 蛍那はホント人生でどんだけ損してんの」
「あはは・・・」
来良学園に入学して、ようやく4ヶ月が経った。
セミたちが暑さに萎えることもなく、今日も夏の1日がやってきた。
瑠奈の話を軽く聞き流しながら、そんなことを思っていた。
瑠奈は声が大きい。
だから廊下を歩いていると2人の会話は丸聞こえで、生徒がチラチラこっちを見ることがある。
蛍那は気付いているのだが、当の本人は「なんかあたし達って注目されてない? もしかして人生初のモテ期到来ー!?」なんて馬鹿なことを言っている。
今もテレビ番組の話をしていると、廊下を歩く生徒はびっくりしてこちらを見ていた。
「る、瑠奈....。声おっきいよ」
「えー? そんなことないって。それより今日の放課後、寄りたいところがあるんだ。一緒に行こ」
いつもと変わらない瑠奈の笑顔に、蛍那も笑顔になる。
本当はそんな面倒臭いことなんかしないで、さっさと家に帰りたいのに。
そんな気持ちは一切見せずに。
「帝人ー! 杏里ー! 帰ろーぜ」
金髪にピアスの男子生徒が、クラス委員2人に声を掛けた。
「うん今行くよ! 園原さん、行こう」
「はい」
2人は金髪男子、紀田正臣の元へ駆け寄った。
「杏里は走ると、エロが引き立つなぁ〜」
「正臣! だからエロはいらないって!」
「・・・・・」
必死に否定する黒髪で軟そうな男子、竜ヶ峰帝人は、無言で顔を赤く染めるメガネ美少女、園原杏里をかばっていた。
「それはさておき、今日は3人で行きたいところがありまーす」
グラウンドの真ん中あたりを過ぎたところで、さっきまで先頭を歩いていた正臣が止まり振り返った。
「行きたいところ?」
「そう! 帝人は予定.....あっても連れてくけど、杏里は? 予定ある?」
顔を覗き込む正臣に、首を振りながら答える杏里。
「特には.....」
「じゃー行こう! 最近オープンした、女子高生がたぁくさん集まるカフェがあるんだよ」
まさか、とでも言わんばかりに帝人が顔をしかめた。
「そんな顔してると、女の子も杏里も逃げちゃうよ」
顔を赤くして「なんで女の子と園原さんが別なんだよ!」と叫ぶ帝人を無視して、杏里の肩に手を回した。
「さぁ、行こう! ナンパに!!」「ちょっと! この手はなんだよ!」
店内に入ると、可愛らしい女性店員が3人を席に案内した。
「あれ?」
席に着くなり、帝人が口を開いた。
「あの制服って、来良学園だよね」
目線の先にはカウンターに座る2人組みの女子生徒がいた。
「ほんとだー。ちょっと行ってくる」
「ちょっと、正臣! ごめん園原さん、ちょっと行ってくるね」
「....私も行きます」
「ここのカフェ、できたばっかりだけど、あたしもう3回も来てるんだよね。だから早く蛍那と来たかったんだ」
「そうなんだ」
瑠奈の話を上の空で聞いている蛍那。
あぁ、早く帰りたいな。
そればっかりを考えている蛍那の頭には、もう何も入って来ない。
そのとき後ろから、聞いたことのない声がした。
「ちょーっとそこのお嬢さん。今時間あったりする?」