二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【デュラララ】 闇の中の煌き ( No.3 )
- 日時: 2011/04/03 18:55
- 名前: ☆ちゅうりっぷ☆ ◆X1qjVcEwCQ (ID: IAQru7qe)
-002-
「ちょーっとそこのお嬢さん。今時間あったりする?」
金髪少年が話しかけているのは.......自分達?
制服を見ると、同じ来良の生徒のようだ。
また面倒くさいのが来た。
「あたし達? 時間はあるけど、何? ナンパ?」
「そうでーす! ナンパでーす! ってことでここいい?」
瑠奈の問いかけに否定することもなく、当たり前のように隣のイスを引く少年。
蛍那は一刻も早く家に帰りたい。
それに瑠奈もまんざら嫌ではなさそうだ。
丁度いい。
「瑠奈、あたしちょっと用事あったから帰るね」
「あ、うん、わかった」
「えー! 何なに、もう帰っちゃうの?」
金髪少年に馴れ馴れしく話しかけられたのが嫌で、睨んで無視した。
お金だけ置いてイスを降りた。
「ごめんね。正臣が変なことしちゃって」
蛍那達の後ろにはまた2人、来良学園の生徒がいた。
正臣っていうのは、金髪少年のことだろうか。
しかしどうでもいい。
一応頭を下げて、店を出た。
「不思議な方ですね」
「うん・・・」
蛍那は早足で家に辿り着いた。
ドアを開ける前に、少し乱れた息を整えるために大きく息を吸った。
「いるかな、お母さん」
見上げた家は一般的に豪邸といわれるほどだった。
そんな家には、蛍那とその母親、美佐しか住んでいないのだから、使われていない部屋もいくつかあった。
「ただいま・・・」
豪邸といっても、近所と比べたら少し目立つ程度で、明らかに金持ちを強調しているわけではなかった。
蛍那が開けたドアの向こうは、靴が綺麗に整頓された玄関が広がる。
・・・はずだった。
「お・・・お母さん・・・?」
自分の履いたものを脱ぎ散らかすなど、母には決して有り得ないこと。
しかし蛍那は「また何かあったのか」と、やけに冷静に悟っていた。
「あぁ、蛍那?」
リビングに入ると、美佐が机に突っ伏していた。
隣にはたくさんのビールの空き缶と、普段は飲まないはずの焼酎のビンが転がっていた。
ここまでくると、さすがに蛍那も焦った。
「ちょ、お母さん! 何飲んでるの!?」
母の元へ駆け寄って、口に運ばれたグラスを慌てて手から放した。
「いいじゃない、死ぬもんじゃないし。私は長生きしたっていいでしょ」
「・・・・・・」
さりげなく発せられたその言葉に、蛍那は何も言えなかった。