二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ポケモン】オーロソーレ・アルジェントルナ—金ト銀ノ交ワル時 ( No.60 )
日時: 2011/05/21 16:09
名前: 香兎 ◆kyRFGkO1TU (ID: h9rhVioE)



一章 五  多忙ナ旅立チ
















——————あの、赤髪の少年。いや、奏。
嵐のように現れて消えて行った、不思議な少年。
旅立ちの前にこんな事件が起きるなんて嫌な感じ。なんで初っ端からこのような出来事が起きるんだろうか。ていうかお約束なのか。
横で鼻をかんでいる宇津木博士を横目で見ながら考えていた。


「……でも、なんかその名前。僕聞いたことあるような…」

「博士、知ってるんですか?」

「……っていうか、ま、かなり有名な悪の組織の輩じゃ無いかなあ、と」

「悪の組織?」

「そう、この城都には《ロケット団》っていう奴らがいた————…三年前に一人の少年の手によって解散させられたと聞いているけど、また再び活動を再開させたらしい、という噂を聞いたんだ」


ロケット団。何処かで聞いたことがあるような気がする。
少年の手によって解散させられたのならば、よほど注意がなっていない弱い軍団だろう、と予測してみた。


「あ、そういやこの事件で……旅にちゃんと出れてないなぁ。琴音ちゃん、響君。今からだと夕暮れに近づいちゃうけど……行くかい?」


確かに、知らないうちに刻々と日が暮れていっている。今から行けばきっと野宿か、ラッキーであればポケセンに暗くならないうちに着けるような時間だ。
ようするに、いわば帰宅ラッシュの時間帯だ。


「うーん……どうするかい? 夜道は暗くて危ないだろうし」

「暗かったら……何が出るんですか?」

「多分夜行性のポケモンとかだろうね、結構獰猛なポケモンがうろつくから危ないなぁ……」

「……え! 獰猛……? こ、琴音ちゃん。怖くない?」

「大丈夫……この琴音様が! 素手で! ぶった切ってあげるから」


頼もしいヒロイン。なんて男らしく勇ましい。
しかし素手でぶった切るというのは見たくない光景。


「琴音ちゃんは頼もしいなぁ。じゃあ……気を付けて! 雄大なポケットモンスターの世界へ!」


そして、私達は。





旅への第一歩を踏みきった。









一章・終

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