二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 秘蜜〜黒の誓い〜 ≪ボカロ曲小説化≫ ( No.59 )
- 日時: 2011/11/29 22:24
- 名前: 夏茱萸 ◆2uA.rd.h2M (ID: lkF9UhzL)
参照1000記念☆小説!
今回は色んな人物でクリスマスネタの短編を執筆したいと思います^^
オチは期待できませんが(というか無いに等しいですが)、少しでも楽しんでもらえればと思います!!
短編第一弾は秘蜜設定のミクちゃんとリンちゃんです。
秘蜜〜聖夜の誓い〜
第一弾*ミク・リンVer
真白な粉雪が、ミリアムの剥き出しの掌へと落ちてくる。
リアンはすっかり真っ赤に染まってしまったミリアムの手を取ると、悲しげな表情のまま無言で息をふぅっと吐く。
「…ミリアム、温かい?」
「リアン…私は大丈夫よ、ありがとう」
ミリアムを気遣うリアンに感謝と少しの遠慮を込めて微笑むと、まだミリアムの手を離そうとしないでいるリアンの手を、自分の両手でやんわりと包み込んだ。
「リアンだって、こんなに冷たくなってるのに」
「僕はいいんだよ。それよりミリアムの手が寒さで霜焼けになっちゃう方が僕にとっての一大事だし…」
ミリアムの手を自身の手からそっと離すと、リアンは笑って言った。
「さぁ、ルミカさんに怒られてしまう前に薪を採って帰ろう?」
ミリアムたちはルミカに言われて薪を採りに出ていた。
しかしこの寒さの上に雪が降っていては、薪も湿っているだろう。それでもリアンは湿った木の枝をその辺の木から折って、小さな手に何本か握りしめていた。
「リアンったら、そんな細い枝じゃ駄目よ。もっと太さがないと」
「…そう?じゃあこれもダメ?」
「それくらいだといいんじゃないかしら」
二人で森の奥へと進みながら他愛のない会話で盛り上がる。
————こんな時間が、ずっと続けばいいのに…
リアンはそう心の中で呟くと、ミリアムに気付かれないようそっと溜息を吐いた。
「…ホワイトクリスマスね」
不意にミリアムが言った。
独り言か自分に言ったものかどうかわからなかったリアンは、咄嗟に黙ってしまった。
「雪って不思議。何でも消してくれるような気がするの。私の心の汚れも、罪も過ちも…すべて…」
今にも消えそうな表情で微笑む儚い横顔を、リアンはただ黙って見つめていた。
暫くの沈黙の後、リアンはミリアムに問いかけた。
「じゃあ、僕のこの気持ちも…いつか消えてしまうのかな…ミリアムは、それを願ってる?」
———もし彼女が僕の気持ちが消えてしまえばと願っていたとしても、僕はそれに応じることが出来ない。
けれど僕のこの気持ちがなくなり、彼女が僕を好いてくれるのであれば…
僕はこの気持ちを消してあげよう。
この雪と共に…
どんな形であれ、彼女に好かれるのであれば、僕自身が消えてしまっても構わないのだから…—————
そう思い手を握りしめた矢先、ミリアムから返ってきた答えはリアンの予想していたものと全く異なっていた。
「…私、リアンに好きでいてもらえるのはとても嬉しいの。恋とは違うけれど、私はリアンのこと好きだもの!貴女に嫌われるのは、とても辛いわ…リアンの恋心が消えてほしいなんて願っているはずないじゃない。どんなものであれ、恋愛というものは自由よ。みんな基本を大事にしているだけ。リアンは基本とは外れてしまったけれど、人を愛することのできる人間よ」
ニッコリとリアンに微笑みかけてくれるミリアム。
———僕はこんなにも穢れているのに…それなのに僕に笑ってくれる…ミリアム…ッ
リアンの頬には涙が伝っていた。
「ッミリアム!僕…ミリアムが好き!ずっと大好きだからね…ッ!」
「リアン…私も貴女が好きよ…ほら、泣かないで?」
「ぅえッひっく…ミリアムッ…」
ミリアムはリアンの細い身体を抱き締めると、ゆっくりと頭を撫でながら目を閉じた。
二人最後に発した言葉は
『———愛してる…』
あるイヴに起こった恋物語。
幸せに酔い痴れる彼女たちは
この後訪れる恐怖を
知る術もない…
その頃のルミカ&ガノム。
「ミリアムたちはいつ帰ってくるのよ!!」
「僕に当たらないでくれ!ひ…ッ」
ルミカの手から超速球で飛んでくる得体の知れぬ物を避けながら、ガノムは早く二人が帰ってくることを懸命に願っていた。
ゴツン!
「ッ痛!」
「避けろよ馬鹿ガノムが!」
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超短編なうえにオチが何なのかわかりませんが、とりあえずミクちゃんとリンちゃんの話でした。
と言ってもクリスマスまでまだ約一か月ほどあるんですけどね^^;
こんな駄文でしたが、ほんの少しでも楽しんでいただけたら幸いです☆
あと登場人物に重音テト(テナート)を足しておきました!
それでは、失礼しました♪