二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 秘蜜〜黒の誓い〜 記念短編小説執筆中☆ ( No.61 )
- 日時: 2011/12/05 21:27
- 名前: 夏茱萸 ◆2uA.rd.h2M (ID: lkF9UhzL)
参照1000記念☆小説第三弾は、GUMIちゃん&KAITOの組み合わせで執筆しようと思います!
少し難しいです;
短編としてうまくまとめれるかどうか…><
まあなんとかなるs((
秘蜜〜聖夜の誓い〜
第三弾*GUMI・KAITOVer
「天使ってクリスマスや雪が似合うと思わないかい?」
「知らない。メイサに、聞け」
木の上に座り粉雪の舞う寒空を見上げながらカイナが呟くように問うと、その隣で無感情にラグミナは答えた。
興味なさそうにするでもなく、嫌な顔をするでもなく、ただ無表情なラグミナにカイナは少し困ってしまう。
(そりゃあ、いつものことだけど…)
ラグミナとは会話が続かない。かといって気まずいわけでもなく、ただカイナもラグミナも黙っていつも遠くを見つめていた。
少し前までは会話というものがあったのだ。
あの小さな黄色の天使が二人のもとを去って以来、訪れるものは沈黙のみだ。
「…リアン」
ふとラグミナが呟いた。
光も影もない、希望も絶望もないその瞳を、カイナは暫く見つめていたが、やがてぽつりぽつりと話し始めた。
「リアンのこと、心配?」
「当たり前。仲間心配しない、そんな奴、悪魔だ。私、腐っても天使」
「…最後にはきっと、僕たちのもとへ帰ってきてくれるさ。僕らを選んでくれる…仲間を、リアンを信じてろ。それも天使だよ」
ラグミナの「腐っても天使」という言葉に多少の引っ掛かりを覚える。
いつからだろう、ラグミナという天使が自分自身を底辺として見るようになったのは。
ラグミナと初めて出会ったときはまだ、多少の感情が残っていた。
周りの天使ほど明るくなく、おとなしい子だったが今よりたくさん笑っていた。
ラグミナが笑わなくなったのは、あの方が…
メイサが来てからだ。
彼女が天使の長になったときから…————
そこまで考えて軽く首を横に振る。
考えたくもない、あの異例な人物のことなど…
「お前は、リアンのこと、信じてるのか?」
不意にラグミナがこちらに首を傾けた。
一歩間違えればホラー映画のワンシーンになりそうな光景だ。
「変なこと聞くんだね、キミは。勿論信じてるさ、僕はリアンのことが大好きだからね、絶対に僕らのもとへ…僕のもとへ、帰ってきてくれると信じてる」
「カイナは、信じてない。信じてるんじゃなく、自分に言い聞かせて、安心しているだけ。そんなの、ただの自己満足にすぎない」
「…そうだね、僕は勝手に自分にそう言い聞かせて、安心したいのかもしれないね。だけど、天使だって悩むんだ。平和ボケしている天使なんて、所詮は絵本の中だけさ。人間も天使も悪魔も魔女も、根本的には全部同じなんだよ」
ラグミナに微笑みながらカイナが言うと、無感情な顔を精一杯嫌そうに歪めた。珍しいことだとカイナがのんびり思っていると、思った以上に強いラグミナの声が、二人の間に響き渡った。
「あんな野蛮な連中と、私を同じ類のものにするな。お前、それでも天界に住む者なのか」
「僕は天界に住む、立派な天使だ。間違ったことなんて言っていない。何だかんだ言ってラグミナ、キミもやっぱり天使なんだね。少々夢見がちな部分があるようだし…僕はただ、他の天使より現実を見れるだけなのさ」
嫌悪に歪んでいた顔を一瞬だけ怯えに変えたラグミナ。
この青い天使は、見た目が冷たい印象を持っているが案の定性格さえ残酷な天使だった。
カイナがどうして高い位に就いているのか、ラグミナは漸く分かったような気がした。
「さ、こんな話は御終いにしようか。せっかくのイヴくらい、僕らも騒ごう。一度天界へ戻ってみんなで祝おうか!」
飛び立つカイナの後を追いかけようとして、一度開きかけた翼を閉じた。
そしてどんどん上に登って行くカイナの背に向かって一言だけ呟いた。
『メリークリスマス。カイナ』
そして、今はいないあなたへ。
———Merry X’mas Rian…
呟いた言葉は、何も知らない真白な粉雪へと
吸い込まれて、消えていった……—————
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まとまらない、です;
少しだけ本編に関わりそうなことに触れてみましたが、多分まだ出てきません;
少しずつ明らかになっていくと思います^^
今回も拙い小説でしたが、楽しんでいただければとても嬉しいです。