二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 『花騎士物語』 ( No.9 )
- 日時: 2011/03/24 16:24
- 名前: 薔薇結晶 (ID: XvkJzdpR)
『花騎士物語』
第8話 「激闘の果て、愛の言葉」
<<カランカランッッ>>
<<カランッ>>
<<カランカランッ、カラカランッ>>
<<カラッ、カラカランッ>>
10の音が響く。
それは光速短刃【金木犀】の落ちる音。
失速して、落ちた音。
その時点で私を含め、その場に居る者の殆どが傷だらけだった。
ジュリア「サクラ…、大丈夫…?」
サクラ「私は1回しか当たってないから全然…。でも…。」
サクラが見回したその辺り。
そう。
5人の『花騎士』が倒れている。
正確には、2人倒れていて、それがエドガーとテレス。
しゃがみこんで息が荒い3人はフィディオ、マーク、ディラン。
サクラ以外は、全員血塗れだと言ってもいい状況だった。
マーク「…つくづく恐ろしい女だ、お前は…。」
ジュリア「お褒めの言葉を、ありがとう…。」
フィディオ「この状況、で…こんな自滅的な技を…。」
ジュリア「じゃないと、倒れてはくれないでしょうが……。」
血塗れながらも、こんな会話をしているこの3人は恐ろしい。
次の言葉を発したのは、ディランだった。
ディラン「マーク…。」
そう言ってディランはマークに向かって何かを投げた。
否、正確にはマークの足元に何かを滑らせた。
マーク「……ありがた…い。」
傷だらけ、血だらけの手でソレを拾う。
そして、構えた。
マーク「お前には、コレが何か…分かるか。…ジュリア。」
ジュリア「……さぁね。」
マーク「コレは小型拳銃【ラベンダー】。……暗殺兵器だ。」
ジュリア「…私を、殺そうと…言うのね。…貴方も随分と恐ろしい男だ事…。」
マーク「…最後だ……何か、言う事はあるか…。」
ジュリア「あるわよ、沢山。」
「死ぬのは、…貴方だって!」
そう言ってジュリアは足元に転がっていた【金木犀】の1枚を投げた。
だが。
<<ダアァァンッ>>
<<パキンッ>>
2つの音。
銃声と、【ラベンダー】が【金木犀】を弾いた音。
ジュリア「!!」
マーク「最後だ、俺から…一言、言わせて貰おう…。」
<<ガシャンッ>>
「お前は……俺の手では、殺せない…。」
【ラベンダー】を落として、力なく、小声でそう言った。
その後に、涙。
ジュリア「…マーク…。」
マーク「殺せないんだよ、…まだ。……技術でも、心でも、お前を……超えていない…。それに…。」
「まだ、心残りなんだ。……お前の事が。」
ジュリア「…散々『殺す』って言っておいて…。全く…、ビックリしたわよ、少しだけ……。」
そう言って、2人は意識を失った。
小声で、ジュリアはこう言った。
「…本当に……馬鹿じゃないの…。」
と、薄ら笑みを浮かべて。
第8話 終わり