二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 『花騎士物語』 ( No.26 )
日時: 2011/03/24 16:37
名前: 薔薇結晶 (ID: XvkJzdpR)

第21話 「破壊獣VS蝶々・後編」



ユニコーン「心槍ってこれだよな?」
エクエス「あぁ…。お前は【向日葵】の矢だけに集中してくれ。アゲハは我が。」
ユニコーン「分かった。」


だが、そんな簡単な事ではなかった。

アレキサンドラ「“雷の雨(いかづちのあめ)”!!」

5本の矢を一気に振り絞り、『アゲハに向かって』放ったのだ。
幻獣衆の2人を狙わず、アゲハを。

フェニックス「何だと!?」
ペガサス「じ、自爆か…!?」
フェンリル「いや、あれは…。」


するとアゲハは舞い始めた。
蝶々のような優雅さで。

扇の風圧で、矢の方向が変わった。


ユニコーン「そういう事か…!」
エクエス「なるほどな。一見自爆に見せかけてから扇で矢の方向を変えるのか。」

エクエス「ユニコーン、頼む!」
ユニコーン「あぁ!!」

心槍【秋桜】。

ユニコーンはそれで何をしたか。
【秋桜】に埋め込んである、『涙輝石【女神の涙】』と呼ばれるもので、結界を張った。

アゲハ「『涙輝石』…。」
アレキサンドラ「しかも『ゴッドシリーズ』だ。手強いな。」


その間、エクエスは先ほど脱いだ十二単のような己の着物の上から2番目の薄紅色の薄い生地を取り、簡単に帯を結んだ。

そして、巨扇【菖蒲】を手に取り、アゲハに向かって走り出した。


アゲハから2mほど離れた所に【菖蒲】を突き刺し、その上に乗った。

アゲハ「…何をする気なの…。」

エクエス「我は元はと言えば『花騎士』ではなかった。」


と、自らの過去を語りだした。

フェニックス「え!?そうなの!?」
フェンリル「……えぇ。もとはと言えばクイーンは…。」

エクエス「私はとある村で、神に仕える身であった。いわゆる、巫女だな。だが、そんな平穏な村に、王国軍が攻めてきたのだ。そして我とフェンリル、ユニコーンだけが生き残った。私はそれで『花騎士』になると決意した。王国軍、否、国王、イグドラシル15世に復習をするために。」



アゲハ「そうですか。私達も似たような事がありました。私達の一族の村は5年前に、『花騎士』によって壊滅させられましたよ。」
アレキサンドラ「そして俺達だけが残り、とある目標を立てた。」

「「『花騎士』への復習と言う、野望を。」」

ペガサス「お前達だって今は『花騎士』だろ!」
アゲハ「いいえ、何を言ってるんですか。私達は…。」


  「『蝶々』です…っ!!」

と、そう言うとエクエスに向かって風を巻き起こした。
だが、それはエクエスからしたら右。視えないのだ。

フェニックス「エクエス!!」

<<フワッ…>>


エクエスは宙に舞った。
風の風圧を利用して、美しく舞った。

そして、一瞬だけ【菖蒲】の上に立ち、それから一気に踏み切った。
その後に。

<<ドッッ>>

アゲハ「かはっ…!!」


アゲハの鳩尾にかなり速く、かなり強い手刀が入った。
右手の手刀。

それからエクエスは休む間もなく次の攻撃に移る。


アレキサンドラ「くそっっ!!」

<<バシュゥッ>>

3本の矢が放たれる。
だが、

 <<キキキィンッ>>

ユニコーン「残念!お前の相手は俺だよっっ!!!」

心槍【秋桜】VS雷弓【向日葵】。
その戦いは、心槍【秋桜】の使用者がユニコーンの時点で勝負がついていた。

技術の差が違い過ぎた。


<<ダンッ>>

ユニコーンがアレキサンドラの胸に右足を置き、頭の真横に【秋桜】を突き立てた。

ユニコーン「俺の勝ちだ。…よくもエクエスの左腕を台無しにしてくれたなぁ?」
アレキサンドラ「くそっ…!!」


<<ドサッ>>

エクエス「はぁ…はぁ…。」

倒れたのはアゲハ。
物凄い腕力で強力な手刀を何発も喰らったら立っていられるものではない。

アゲハ「…私達、の…負け…、ですね……。」

アレキサンドラ「…絶扇でも……、雷弓、でも…持って行け…。」


エクエス「…いや、もらうのは雷弓だけで構わん。ユニコーン、雷弓だけ回収だ。」
ユニコーン「了解。」

「「…は?」」

フェニックス「勝ったのに…いいのか?」
ペガサス「どういう事だ…。」

エクエス「アゲハ。」

アゲハ「…何ですか…。」

エクエス「王国軍がお前を狙ってくるかもしれん。気をつけろ。お前は絶扇に相応しい。それは忘れるな。」



エクエス「…近くに川はあるか?」
フェンリル「えぇ。1㎞ほどの所に。」
エクエス「休むぞ、我が死ぬ前にな。」
ペガサス「じょ、冗談じゃねぇ…。」

そして幻獣衆はその地を後にした。



第21話 終わり