二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 『花騎士物語』 ( No.53 )
日時: 2011/03/25 16:38
名前: 薔薇結晶 (ID: Ayie/5bK)
参照: http://blogs.yahoo.co.jp/gran_fenrir/MYBLOG/yblog.html

第31話 「木野秋」








<<ザクッ>>

ペガサス「ぁ……っ!!」
円堂「…お前、こんなに弱かったか…?」

もう、決着はついていた。


円堂「『幻獣衆』に入って…弱くなってないか?」
ペガサス「うるさいっっ!!俺は…俺は3人を超さないといけないんだ…!!」
円堂「ジュリアとマークとディランか。」
ペガサス「!!!」
円堂「…今のお前見たら、3人とも泣くと思うぜ?」
ペガサス「何だとっ…!!」
円堂「だってそうだろ?自分達が、かつての仲間苦しめてるみたいなモンじゃないか。逆に、向こうが苦しむ。」

エクエス「…。」
ユニコーン「聞き捨てならないな…。」

豪炎寺「何が聞き捨てならないんだ。」
ユニコーン「当然だ。俺達と組んで、ペガサスもフェニックスも確実に強くなった。なのに弱くなっただと…!!」
豪炎寺「…お前達は…。」

「お前達は、一之瀬と土門の『心』を弱くしたんだ。技術があーだこーだ言う前に、礎を破壊した。」

エクエス「…口が過ぎるな、豪炎寺修也。」
豪炎寺「事実を言ったまでだ。一之瀬と土門に、『幻獣衆』は合ってなかった。」

フェニックス「…豪、炎…寺っ…。」
ユニコーン「…俺は、そうは思ってない。クイーンが、間違っているなど、絶対にない。」
フェニックス「ユニコーン…。」


円堂「…でも、俺はお前達を許そうって気になれないんだ。」
豪炎寺「円堂…?」
円堂「お前達が出て行かなかったら…秋は、秋はっ…!!!」
舞姫「円堂君…!?」

「秋はっ、あんな事にはなってなかったはずなのにっっ!!」


「「!!!?」」

フェニックス「あ…き、が…!?」
ペガサス「……っ!?」

円堂「お前達が出て行ったあとに!あの村襲われたんだぞ!!『花騎士』は秋しかいなかったのに!!」
豪炎寺「しかも、木野は弓使いだ。近距離は絶対的に不利だった。」
円堂「今はその時の傷が原因で昏睡状態なんだぞ!!」

木野秋。
彼女は『シリウス』の看護師的存在だった。
所有していたのは、癒弓【雛罌粟】。
今、【雛罌粟】の所有者は藍原日奈乃に変わり、秋のような仕事をしているのだ。
絶対治癒の弓、【雛罌粟】の所有者だった。

フェニックス「そんな…っ!!」
ペガサス「うっ、嘘だ!!嘘に決まってる!!」
円堂「嘘な訳…ないっ、だろ…!!」
豪炎寺「円堂…。」

泣いていた。
円堂は、泣いていたのだ。


フェニックスとペガサス…一之瀬と土門は、あの日の秋の顔を思い出す。


——「待ってよ!!一之瀬君っっ!!土門君っ!!」——

泣きながら、自分達を呼び止める、彼女を。


一之瀬「秋っ、秋…っ…!!」
土門「そ…んな…。」

2人が力なく崩れる。


彼女の顔が、浮かんでは消えた。




第31話 終わり