二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 『花騎士物語』 ( No.54 )
- 日時: 2011/03/26 12:46
- 名前: 薔薇結晶 (ID: xBFeLqnd)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/gran_fenrir/MYBLOG/yblog.html
第32話 「『紅の狼』」
涙が絶えず零れる一之瀬と土門。
円堂が手を差し伸べる。
円堂「…秋が目覚めるの、一緒に待とうぜ。一之瀬、土門。」
一之瀬「円、堂…っ!!」
土門「円堂…!!」
差し伸べた手に手が交わろうとした、その時だった。
一陣の風が吹き抜けた。
エクエス「…我らを裏切る気か、フェニックス、ペガサス。」
一之瀬「エクエス…!!」
ユニコーン「円堂守。」
円堂「…。」
ユニコーン「2人は今や俺達『幻獣衆』の主戦力だ。渡すわけにはいかない。」
エクエス「渡さん、天馬の翼と不死鳥の輝きは、我々には必要なのだ!!」
「嘘を吐くな、悪人共が。」
「「「「!!!??」」」」
エクエス、ユニコーン、一之瀬、土門が驚いた表情を見せる。
エクエス「…何者だ!」
豪炎寺「『輪廻』の局長を知らないとは、おめでたい奴らだな。」
星夢「修也、待たせたな。」
豪炎寺「早かったな、近くに居たのか?」
星夢「いや、そう言う訳じゃねぇけどな。」
星夢はくるりと方向転換し、エクエスを指さした。
「『瑠璃色桜』の天女より、命を受けた。エクエス・ランダリア。」
「お前達は『血縛り桜』で『千年縛りの刑』だとな。」
エクエス「…何だ?それは。」
星夢「知らないなら教えてやろう。極悪人のなされる『罰』だ。……意味が分からないか?なら事細かにお前達の過去をぶちまけてやるよ。」
今からおよそ5年前。
イグドラシルの次に大きな共和国、『レーフェンセル』が滅んだ。
『レーフェンセル』は、とても大きな国で、温和な国だった。
だが、その国は、とある晩を過ぎた頃には、すでに消えていた。
『レーフェンセル』を滅ぼしたのは、たった3人の少年少女だったという。
扇使いと刀使いと槍使い。
だが、『紅の祠』の仙人は、その3人が逃げる前に、ある物を残した———!!
星夢「そのっ、残した物がこれだっ!!」
星夢はとある人物のとある部分に指をさした。
フェンリルの心臓の辺りだった。
紅の、何かがちらりと見えていた。
捲ってみると、紅色の狼が一頭、刻まれていた。
星夢「『紅の狼』!!これは『紅の祠』の仙人が大罪を犯した者に刻む…刻印なんだよっ!!」
フェニックス「えっ…!?」
ペガサス「どういう事だ…!!?」
星夢「あんた等にもあるんだろ、見せてもらう。」
エクエスとユニコーンの前に立ち、そう言う星夢。
エクエスは冷酷な目で星夢をにらむ。
星夢「…はぁ…。」
と、ため息をつく星夢。
だが、刹那。
<<シャキンッ>>
エクエスとユニコーンの心臓の部分。
そこだけ、切れていた。
エクエス「!!」
ユニコーン「何を…!?」
星夢の手元を見た。
刃物が光っている。
エクエス「なっ…【彼岸花】!!」
星夢「……あったぞ、『紅の狼』。」
確かに、2人の胸元にも、『紅の狼』の刻印が刻まれていた。
星夢「決定だな。天女サン、あとは頼んだ。」
星夢がそう言うと、エクエスとフェンリル、ユニコーンの体が瑠璃色の桜吹雪に包まれる。
次の瞬間には、消えていた。
星夢「…条件、呑んでくれるかな〜…。無理の可能性高すぎるな。」
豪炎寺「何がだ?」
星夢「こっちの話だ、気にすんな。」
星夢「んじゃ、こっちは暇じゃないから行くな。」
そう言ってスタスタと歩き去って行った。
舞姫「…結局、対戦できなかったな〜…。」
豪炎寺「気を落とすな、アイツより強いのがその内でてくるさ。」
円堂「一之瀬、土門。」
一之瀬「円堂…、あの…ごめん…。」
土門「お前の気持ち、考えないで…。」
円堂「いいよ。気にするな。」
一之瀬「で…秋、は…?」
円堂「だから、『シリウス』で寝てるよ。」
一之瀬「…行って…。許してくれるかな、秋。」
土門「そう願おうぜ。」
第32話 終わり