二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 『花騎士物語』 ( No.68 )
- 日時: 2011/03/26 15:39
- 名前: 薔薇結晶 (ID: xBFeLqnd)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/gran_fenrir/MYBLOG/yblog.html
第35話 「平和な一時」
リアナ「きゃあぁっ!!」
<<ジャボンッ>>
と、すごい大きな音を立てて、リアナは滝壺の中に落ちた。
ジュリア「リアナーっ?」
リアナ「だっ、大丈夫です…!!」
スカーレット「それにしても今のジュリアの技すごかったな〜!」
スーラン「『花器』には固有の技が存在する。それが“精霊系”。」
スカーレット「へぇ…、【鈴蘭】にも“精霊”は居るんだ?」
スーラン「居ない『花器』は無い。」
「今すごい音したけど何?」
「さ、さぁ…?」
ジュリア「…起こしちゃったわね。“ローズヴェルン”の事はみんなに内緒にしておいて。隠し玉だから。」
リアナ「はいっ。」
スカーレット「了解ー。」
スーラン「分かった。」
ジュリア「あと…【————】は超極秘情報よ。絶対に漏らさないで。」
3人が頷いたのを確認すると、ジュリアは馬車に向かった。
ジュリア「みんな、もう目的地ついてるわよ。」
サクラ「わっ!!!びっくりしたぁ…。」
マーク「…本気で寝ちまったな。」
ジュリア「言ったでしょ?スリープ・フェアリス達は常に眠くなる成分を振り撒いてるの。だから免疫無いと寝ちゃうのよ。」
出てきて、と言うとジュリアは馬車を離れた。
サクラ「うわぁ…!」
フィディオ「すごいな…。」
ディラン「まるでファンタジーだね!」
マーク「幻想的だ、水まで普通じゃない…。」
エドガー「Msジュリアによると水は血液に似た成分が入っているらしい。」
ラオン「血液…ですか。」
スカーレット「ねぇ、リアナ。」
リアナ「はい?」
スカーレット「此処の水って疲れ取る作用あったよね?」
リアナ「えぇ、ありますよ。筋肉痛なら10分浸かったら治りますよ。」
スカーレット「うわ、便利すぎる…、浸かっとこ〜っと!」
足を滝壺に浸けるスカーレット。
その隣にジュリアが座る。
ジュリア「スカーレット、何か歌って?」
スカーレット「え、マジで言ってる?」
ジュリア「えぇ。『歌姫』なんだから歌って。」
スカーレット「…はいはい、分かりました〜…。」
夢笛【鈴蘭】を手に取るスカーレット。
あ、と思い出したようにジュリアが言う。
ジュリア「“睡眠(スリープ)”はダメよ。」
スカーレット「あ、はいはい。」
リアナ「レレヴィ、演奏隊を。」
≪はい!≫
【鈴蘭】はオカリナ型、演奏系の『花器』だ。
息を吸い込んで…
♪♪〜…♪…♪〜〜♪♪♪〜
≪♪♪…〜♪…〜♪—————>>
『深く闇より出でしは朧月 (おぼろづき)
淡き金色の光 地へと届けたもう
薄紅に染まる私は黄泉桜
今宵咲き乱れ 彷徨う御霊(みたま)送りましょう
地に縛り縛られるその心を解き
別れを惜しむ事なきよう
美しき華咲かせ
次なる旅路へ向かう彼等の餞(はなむけ)に
残されること嘆きその未来を呪い
悲しみの底沈まぬよう
美しき華咲かせ
薄紅色を今宵も彼等に届けましょう
永き縁潰えた如月の頃
春暁に旅立つ我が愛し君よ
地に縛り縛られるその心を解き
別れを惜しむ事なきよう
美しき華咲かせ
次なる旅路へ向かう君への餞に
残されること嘆くことも許されない
私にひとつできる事
美しき華咲かせ
薄紅色を涙に代えて散らせて泣こう
ひらり舞い散る花弁よ 遙か黄泉国まで
数多(あまた)の心と共に 彼等の御霊を送りましょう
残されし人の想いよ どうか沈むことなく
散りゆく薄紅色と共に 美しく咲き誇れ
永き縁が潰えた 遠き如月の頃
春暁に別れた 愛し君へ送る花弁を
薄紅色に染まりゆく私は 黄泉桜
美しき華散らせて 旅立つ君への餞となれ 』
スカーレットの歌声とスリープ・フェアリスの演奏だけが『眠りの森』に響いていた。
第35話 終わり