二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター 狩人の足跡 ( No.14 )
- 日時: 2011/04/01 10:58
- 名前: 五十嵐 ◆geiwiq3Neg (ID: /B3FYnni)
ユクモ村…?あぁ、あそこか。
アスナは聞き覚えのある言葉を耳にし、その村の情景を脳裏に浮かべた。
「ユクモの村か。今、あそこはハンターの関所みたくなってて有名だな」
「——でも、それは『今』の事だろ?昔はその村に住んでるハンターは少なかったんだぜ?
例えば俺、とかな」
レオと名乗った彼は、何故か分が悪そうに苦笑を浮かべ言った。
少し寂しげに笑いを浮かべた後、彼は呟く様に口を開くが、
「まぁ俺以外にも一人、俺が尊敬してたハンターがいたんだけどよ…
—————って! そんな話してもしょーがねぇな! さ、行こうぜ。どうせお前、集会所行くんだろ? 」
ハッと我に帰り、最初のニカッとした笑顔をこちらに向けた。
アスナは小さく頷き、その言葉に肯定したが…正直、この男は何か分らない。
自分には到底理解できない何かを抱えているのだと——直感でそうアスナは感じた。
「さって…旅、お疲れさん! みんなも歓迎してるぜ、集会所で一杯しようや」
「あ、私まだ未成年なので酒は…」
と、アスナがそんな事を考えていると、レオはアスナに視線を合わせて言った。
アスナは次も驚かれるだろうと思いながらもその言葉を紡いだが、レオは一瞬考えて一言。
「俺も未青年だぜ」
「え!?」
そう、彼もまだ未青年だったのだ。
彼を見て———アスナは少なくとも10年はハンターしているのだと思っていたのだが…
そう思い、もう一度彼を見る。
こんがり焼けた肌に、細くも筋肉質な腕。傷つきつつも綺麗に元の形を残している防具を見る限り、
攻撃はあまり受けず、また小さな傷が多い事から回避は何度も行っていると見てとれる。
それは、ガンナーであろうと剣士であろうと、凄いという事には変わりは無かった。
相手の動きを一瞬で見極め、避け、攻撃する。
彼の防具から、そんな戦いをしてきたのだと———アスナはそう思った。
「…でも、俺は後2週間もすれば大人だから大丈夫だろー」
「そ、そうなのか? ならいい、のかな…いや、ダメか」
「アスナ、無駄ニャよ。ボクが来た時もこんな感じだったニャ、どの道断っても飲まされるニャ」
「…」
楽しそうに傍観していたシギも、流石にそのは苦笑を浮かべて言った。
シギの様子から、ここの集会所の人たちは相当な酒飲みなのだろう…
「…分りました、でも疲れたばかりなので先に休ませてください」
「そう来なきゃなー! でもとりあえず集会所、な? 受付嬢の姉ちゃんも待ってるし! 」
あ、ちょ…この勢いだと本当に飲まされそう!
休むって言って結局飲まないつもりだったのに!!
「※未青年の酒は本当に止めてね」
「知らね」
と言ってみるが遅し!!
アスナはズルズルとレオに引っ張られ、休む暇もなく集会所に引きずられていったのだった。