二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ〜俺達だって恋はする〜 ( No.1 )
日時: 2011/03/26 16:00
名前: 琴葉 (ID: mYaacdZq)
参照: 風丸とふどきどとにいにぃは譲らないからね!

第一章 風丸編〜風の落とし物〜

プロローグ

「風丸? ……風丸!」
「………」
「だめだ、全っ然反応しない……」

 通学路にて。
 雷門中イレブンのキャプテン、円堂守は必死で風丸一郎太を振り向かせようとしていた。が、当の風丸本人は上の空だ。

「こうなったら!」

 守は風丸の背後に回りこみ、

「わっ!」

 と、背中をどついた。が、生憎と反応は無い。

「……豪炎寺、何とかしてくれよ……」

 守が助けを求めたのは、雷門中イレブンのFW、豪炎寺修也だ。

「……仕方ないな」

 修也は嘆息し、風丸の肩を叩いた。

「風丸、どうしたんだ?」
「……豪炎寺? ……悪い。またボーっとしてたか?」
「自分でも気づいてなかったのか?」
「あ、ああ……」

 風丸は苦笑し、そして溜息をついた。

「風丸、ここのところ変だぞ? 練習にも集中できてないし、授業中だって上の空だし」

 守の言うことはもっともだった。ここのところ、風丸はイナズマジャパンの練習にも身が入っていないようだったし、事あるごとに溜息をついていた気がする。それは修也も感じていたようで、黙って頷いていた。
 風丸は「いや……大した事じゃないんだけど」と苦笑交じりに言った。

「幼馴染がいてさ」
『幼馴染?』

 守と修也が声を揃えて言うと、風丸は「ああ」と頷いた。

「俺がまだ小さかったときに、ここに引っ越してくる前にいた所で知り合って、小学校を卒業するまで一緒に居たんだよ」
「へぇー。お前、中学に入ってからこっちに来たのか?」
「ああ、まあな。引っ越してきたのは入学する前だったけどな」
「それで、何でまた、幼馴染のことを?」

 修也の問いかけに、風丸は一瞬表情を曇らせたが、すぐに 

「……話すと長くなるし、今度話すよ」

とだけ言った。

遅咲きの桜が、花びらをちらつかせ始めた頃だった。


この駄文を読んでくださった皆さん、ありがとうございます!