二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ〜俺達だって恋はする〜 ( No.14 )
日時: 2011/04/30 18:52
名前: 琴葉 (ID: mYaacdZq)

第3話 5人目

「あ、円堂君! ……あれ? その子は?」
「ああ、今日からマネージャーになるんだよ。深峰悠里って言うんだ」

 放課後、練習前に守と風丸は悠里を連れて秋たちの元に居た。

「へえ、よろしくね、悠里ちゃん!」

 と、こう言ったのはマネージャーの木野秋。

「よろしくお願いしますね!」

と言ったのは同じくマネージャーの音無春奈だ。

「今日はとりあえず、慣れるまでちょっとした事だけお願いするけど、いい?」
『構わない』

 悠里がメモを提示すると、春奈が眉を潜めた。

「円堂センパイ、何でこの人筆談なんですか?」

 春奈の問いに答えたのは風丸だった。

「こいつ、前の学校でいろいろあってさ。 それで———精神的に、な」
「そうなんですかぁ。分かりました! これ以上は詮索しないでおきます!」

 笑顔を見せる春奈に、悠里も笑いかけた。と、そこへイナズマジャパンのメンバーが交わってくる。

「遅くなってすまないな、円堂」

 と言ったのは、天才ゲームメーカーと称される鬼道有人だ。

「気にすんな。俺たちも来たとこだか「あ、お兄ちゃん!」」
「! はっ、春奈……」

 台詞を被せられて落ち込む守とは対照に、有人は顔を真っ赤にしている。何を隠そう、彼はシスコンなのだ。そして、その背後から大人しげな少女が顔を出す。

「こんにちは、守君。 ……その子は?」
「あ、フユッペ! 新しいマネージャーなんだよ。よろしく頼む!」
「うん。えと……何て呼べばいいですか?」
『悠里でいい 敬語じゃなくてもいい』
「分かった。じゃあ、悠里。よろしくね?」
『こちらこそ』

 フユッペと呼ばれた少女がふふっと笑う。彼女は久遠冬花。記憶を失くしていたがつい先日記憶を取り戻していて、守の事も分かるようだ。
 そうこうしているうちに全員が集まり、練習が始まった。守や立向居のキーパー練習、DFの面々の練習、どれを取っても昨日より一段階上手くなっている。
 そして、雷門夏未を除いたマネージャーの面々は———。

「センパイ! スポーツドリンク後一本足りません!」
「嘘!? 冬花さん、その辺に置いてない?」
「無いです! 買出し行かないと!」
『私が行く』
「ホント!? じゃあ冬花さん、悠里ちゃんに付いてってあげて!」
「分かりました! じゃあ、行こ? 悠里」
 
 冬花と悠里が外に出ると、メンバーは休憩に入っているところだった。

「フユッペ? どこ行くんだ?」
「ちょっと買出しに行ってくるだけだよ」
「悠里も連れてくのか? 気ぃつけてな!」

 守に見送られて二人が出て行くと、風丸が溜息をついた。

「風丸? どうした?」
「いや、……悠里のこと、まだ訊けてないからさ」
「帰ってから訊けばいいだろ。……焦ってもいい事無いぞ」
「……そう、だな」

 風丸は一瞬微苦笑し、空を見上げた。雲一つ無い青空が、フィールドを見下ろしていた。