二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 1人VS世界。【FF Xlll】 ( No.4 )
日時: 2011/03/26 21:15
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: 今現在ライトニング依存症(黙殴呪焼射蹴斬殺爆 この浮気者!!!!

#2





「ドッヂボール大会をやります!!」


突然のドッヂ発言にブーイングの嵐。そりゃ面倒さ。私だって。
男子対抗、女子対抗、後・・・そうして決まった両勝者が対決らしい。加藤が五月蝿く手を上げる。

「はいはいはいはい!!先生、意見!!・・・水谷がいたらぜってー勝てなくね?外してくれ!!!」
「まぁ、確かにネ・・・」

ちらりとこっちを見る熱血漢教師。奈々美はコイツが大嫌いだ。五月蝿いし、暑苦しいし・・・。
だから冷たい視線を突き刺す。若干青ざめた?

「・・・先生」
「!!は、なんですか?水谷サン」
「差別はよくないと思うのですが?白人より黒人は力強かったのに差別され「すみませんでした!」」

対話する奈々美の周りから殺気が漂ってきていたためか、先生は言葉をさえぎってこくこくと頷いた。
不満げに、「やっぱ頼りねェ、このセン公」とため息をつく歩。

「男子と対決かぁ・・・。怖そう」
「てゆーかいたそう。だいたい最後まで行けるかなぁ?」
「大丈夫。私がみんなを守る」

何気なく呟いたつもりが拍手喝采を受ける奈々美。若干怯む。
しかしキラキラした顔の女子に手を握られた。

「英雄発言!!」
「ぜひお願いしますっ」

・・・もう、嫌とはいえなかった。







ドッヂチャンピオンシップ。大方の予想通り、(クラス対抗だったはずが)奈々美たち3-4が最終戦で対決。
鳴る開戦のホイッスル。色めきたつ女子軍。しかし怯えも見える。
あっちは自信満々に戦る気だし、何より——男子は手加減を知らない。

「うっしゃあぁあ!!今日こそボッコボコにしてやんよ!!!この冷酷オン・・・ゲブビャッ」
「アユムーーー!!!?」

奈々美からの強烈な一撃。後頭部に走る衝撃に頭がぬけるかと思った。

「おーー!!」
「頭はセーフかぁ、奈々美様惜しいですね!!!」

ち、畜生と言いつつよろよろと立ち上がる歩。本当にタフなヤツ。
常人だったらきっと流血沙汰だったろうに。オカシイでしょ、アイツ(注※アナタも十分オカシイです)。
当ててやる、あの癪に障るやつ。
拾った歩が目の前で力いっぱい投げつけてきたそれを難なく受け取る奈々美。

バン、という(爆発)音とともに歩むのスネにボールが命中した。
悶絶する歩を無視し、奈々美は次々と男子に当てていく。残ったのは倉木と鈴木と森川。
倉木にボールが当たる。その瞬間、利子の瞳がきらりと光る。

「そうなの・・・。意外ですけど、読めました奈々美様」

利子の呟きは誰の耳にも届かなかった。
さっきまで奈々美や端っこに避難していた女子を狙っていた男子が、急においっと言って外野に玉を渡した。

「ヘンッ!全員守るんじゃなかったのかっ!?」

サイドの外野にパスが回り、油断していた女生徒は動けない。スローモーションのような時間、松本のボールを持った手がゆっくりと挙がる。女生徒の瞳が見開かれる。

しかし、奈々美はにやっと笑った。

驚愕の顔をした松本の手から勢いよく放たれたボール。
奈々美は女生徒に跳びかかり——押し倒した。・・・というより激突した感じ。
ボールは校舎の、一回のガラスをぶち割って机をひとつふっ飛ばした。
痛そうに顔をしかめていた女生徒はそれを見て顔を蒼くした。

「・・・危ないだろ?当たったら怪我じゃすまない。今のは。この筋肉バカ」
「何をォ!!?この化物女!!!」

ぴくり、と優美な眉を持ち上げる奈々美。ヒッと松本は情けない声を出したが、奈々美は何もしなかった。




結局ドッヂ大会は女子の圧勝に終わり(男子は全滅・女子は無傷)、奈々美は個人賞としても受賞した。

その日の、放課後——。

「ちょっと、疲れた」

独り言を言い、人気の少ない交差点に差し掛かった矢先。
気が少し遠のく感じとともに、奈々美は横断歩道に膝をついていた。おかしい・・・変だ。こんなことで私は・・・。
遠くで、信号機の鳴る音。恐らく青が点滅していることだろう。
急がなきゃ、・・・急がなきゃ。わかっているのに、体が動かない。

キキィーーーーッ!!!!!

大型トラックが迫ってくる。それを、ひかれそうな自分を遠くから眺めている感じがした。

『 ——助けて』

・・・何?この声。誰だ?
助けて欲しいのは、こっちだ。もう死にそうなんだが。



『力が必要なの。助けて、欲しいの。星を、わたしたちの星を救って』




星を・・・?

「っ!!」

耳が痛くなるような高音。
爆発するかと思うくらいそれは大きくなり、トラックは目の前に迫り———


                                  私は、倒れた。