二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 1人VS世界。【FF Xlll】 ( No.5 )
- 日時: 2011/03/26 21:21
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
- 参照: 今現在ライトニング依存症(黙殴呪焼射蹴斬殺爆 この浮気者!!!!
#3
神は気づく。
揺らぐ湖面、そこに映し出されていた少女が・・・
「消えたッ!!?」
「大変ですッ、神様!!」
奥から息を切らして必死に神の助手が飛んで来た。
外見はまるで赤子。しかし年齢は1000なんてとうに越しているはずだ。
「何じゃ、今それどころでは・・・・・!!?」
「は、あの、急用でして。実は、異世界の者がどうやったかこちらの世界のものを呼び寄せたようで」
「!!?何!!? 呼び寄せた、じゃと!?そんなわけは・・・!!誰じゃ、そやつは!!!」
困惑した表情で口をつぐみ、「そ、それが・・・」と口ごもる天使。苛立つ神。どうした、と彼をせかす。
決心したように、天使は口を開いた。
「そ、それが・・・白魔導士、のようで」
「!!!!!??白魔導士・・・!!!??そんなばかな・・・」
扉につかつかと歩み寄り、神はそれを蹴り飛ばした。
・・・一応、設定としてご老人なんですけど。
それに似つかわしくない華麗な蹴りを神は扉にHITさせた。扉は垂直に向こう側へ吹っ飛ぶ。
「どういうことじゃ!!パラレル・・・わ・・・なんとかから人間を呼び寄せるとはっ!!」
「パラレルワールドです、地球の神様。でも私も驚いていたところです」
「いつもいつもおぬしはまったく!なぜそんなに冷静なのじゃ!!」
おかんむり・・・。
それに比べてもう一人の神、薄水色の体をした女性——調和の神・コスモスは楽しそうに笑った。
「まぁ、いいじゃないですか。これは私の生まれつきです。これでもっとおもしろくなりますよ・・・」
コスモスは自らの前にあった、—地球よりも遥かに大きな—湖をぽんと指先ではじいた。
そこにいたのは黒髪の女性。間違いなく奈々美だった。波打ち際に倒れ、気絶しているようだ。
いたいた、と言いながらコスモスは彼女の額から後頭部をそっと撫で、眉間を2回トントンと叩いた。
すると黒髪の色は抜け、奈々美の髪は黒から薄いピンク色に変わった。
腰には銃と剣の合体した武器。服は白く動きやすいものに変わり、方からは赤いマントが翻る。
「なっ・・・!?」
「ね?これで彼女は、この世界に貢献するための住人になりました。いずれそちらに帰しますよ。・・・そのままの状態で。大丈夫、時は1週間以内に戻しときます」
「!!?この自由奔放娘!だからわしゃお前が気に食わなんだっ!!」
ぷりぷりと怒りながら、神は自分の領域に戻っていった。
『———『星は俺達で守る』だろ? お前が進む方向を見失ったら、私達は誰に頼って前に進むんだ?』
私の、声か・・・?
一体誰と離している?
思い出せない。頭の中は真っ暗だ。
声だけがこだまする世界。焼きつくような、右の二の腕の痛み。
『あなた、魔導士なの・・・?私達の、敵?味方?』
『・・・わからない。何も、覚えていないんだ』
『名前も?』
『名前・・・?覚えているのは、 。その名前だけだ』
『そう?かっこいい名前!じゃああなたは、 、だね!』
私は誰と話してるんだ。お前は・・・誰だ?
声は時々、途絶える。話の内容的に私の名前を呼んでいるようだが・・・。
そうか。あのときの、声だ。
顔が見えない。見たくて目を開こうと体中に力をこめてみる。
ぱっちりと、目が開いた。
「——ここは・・・?私は、一体・・・」
カレンダーには27とあった。
だんだん、思い出してきたぞ。私は、事故にあったんだ。
それが20日のこと。一週間前、か。
今は昼間だ。
静かな音とともに、扉が開いてそちらを見やる。
「———ぁ・・・」
その人物は、持って来た花瓶を床に落とす。
粉々になって砕けた花瓶を見ていると、その人物が抱きついてきた。
「お姉ちゃん!奈々美お姉ちゃあああん!!!」
「な、なみ・・・?」
「どうしたの?自分の名前忘れた??もしかして記憶喪失っ!?」
妹・・・ああ、そうだ。妹だ。
いまいち、実感がわかない。
母さんも入ってくると目に涙を浮かべて抱きついてきた。
それでもぼんやりしていると、母さんは私の両手を握った。
「どうしたの?奈々美。・・・でも驚いたわ、髪の色は変わるし。瞳も・・・まぁ、蒼紫色になったのね」
「?」
髪?
・・・瞳?
母さんは鏡を取り出した。
そこに映っていたのは———
「母さん、驚いたわ。まるで・・・」
思い出した。
ああ、
思い出した・・・。
「私・・・奈々美じゃない。私は・・・」
「エクレール・ファロン。・・・いや、ライトニングだ」