二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アリスと兎の逃避行 【イナズマイレブン】 ( No.118 )
日時: 2011/05/02 17:54
名前: さくら (ID: j9SZVVec)

『ちょ、っと。どういう事!?引き摺り下ろす?冗談でしょ!?』

「冗談ではない。」


すると、私を取り囲む様にして、顔を隠した少年達が現れた。

その中の一人が私の前に現れ、フードを下げてニヤリと不適に笑った。


『———ッ!?き、鬼道———ッ!?!?』


其処には、鬼道が居た。ゴーグルも赤で束ねている位置も若干下にし、マントもいつもと違う。

だが、其処に居るのは確かに鬼道だった。・・・だと思った。


だが、次のミスターの言葉で驚愕する事となる。


「デモーニオ・ストラーダ。このチームのキャプテンだ。」

『デモ・・・ニ、オ・・・?』

「この者達が、新しいイタリア代表。———“チームK”だ。」

『チーム、K・・・。』


この人達が新しいイタリア代表。フィディオ達の代表の座、そして誇りを奪い、イタリア代表となるのか。

だが、いくらミスターKでも、オルフェウスとは直に関係無いはず。


『・・・どうやって。』

「フッ。容易い事だ。監督命令となると、選手は何も言えなくなるからな、」

『監督・・・命令?』


ミスターKはその証拠となるものを取り出した。

どうやらミスターKの行っている事は本当の事の様だ。ミスターKは、イタリア代表の監督。


『じゃ、じゃあ、前監督のパオロ監督はッ!?』

「パオロ?知らんな」


だが、次に見せたのは、パオロ監督の正式な辞令。嘘だ。あんなにサッカーが好きだった監督が辞令を出すなんて。

だが、さっき見せられた二つの正式な書類を見せられると、もう私も口答えが出来なくなった。

悔しい。悔しすぎる。フィディオ達は、あんなに頑張った。急に、キャプテンが姿を消し、フィディオが“キャプテン”として引っ張る事で、更に成長を遂げた。あんなに頑張ったのに、こんなにも簡単にその頑張りを否定されるのか。

フィディオが聞いたら、どんな顔をするのだろうか。







「“神藤裕也”」







ミスターKの口から、一人の男の名前が出た。

私の兄の名だ。

何故、ミスターKが知っているのか。


「お前の兄だったな、・・・血は繋がっている訳でもないが」

『・・・何が言いたいの。』

「、特に意味は無い。忘れてくれ。」


ドクン、ドクン、ドクン、ドク。

急に、私の鼓動が止まった気がした。兄の名前が出た瞬間に始まった、大きな鼓動。

ミスターKは、何故私の兄の名前を知っているのだろうか。まさかミスターKが、兄が言う“黒幕”に関係があるからなのか。

色々な思考が私の頭の中を巡る。今、聞いてしまえばその疑問の全てが解消するのだが、聞けなかった。

これ以上、触れたくなかったのだ。否、触れてはいけない気がした。


「お前には、見物でもしていて貰おうか。」


***