二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アリスと兎の逃避行 【イナズマイレブン】 ( No.133 )
日時: 2011/05/05 12:48
名前: さくら (ID: j9SZVVec)

『ッ—————、』


外に出ると、一瞬日光で目が霞んだ。今まで暗い部屋に居た為、こうなるのは普通の事だが。

そして、私は辺りを見渡す。するとある事に気がついた。


『此処、イタリアエリアだ。』


私が今まで居た此処は、イタリアエリアだった。

目の前には地中海が再現されていて、ゴンドラが悠々と。

懐かしい、あのイタリアだった。


『って、そんな思い出に浸ってる場合じゃないッ!!!』


私は今、フィディオ達が居るであろう、グラウンドに向かう。













——時は少々遡り、イタリアグラウンド、オルフェウス。
                                  第三者視点



「予選の第一試合に勝ったからって気を抜くな!世界レベルのサッカーでは、確実に弱点を突いてくる!」


フィディオ達は今日も、サッカーの練習に明け暮れていた。予選を勝ち上がり、此処まで来たフィディオ達。だが、あくまでも此処は本線。予選とは事が違う。

自分達をりももっと強い奴等がこの本線には居る。そう少し焦りを感じながらも大好きなサッカーに打ち込んでいる時だった。



グラウンドの脇に、黒い車が一台、止まっているのを確認したフィディオ達。


「・・・監督かな?」


監督は、いつも練習時間より必ず早く来る。フィディオ達よりも早く来ている事が多かった。なので、今日、監督よりも前に来たフィディオ達はちょっと驚いていたが、あまり気にかけず、練習を行っていた。

なので、もうそろそろ監督は顔を出しても良い時間帯なのだ。否、ちょっと遅すぎる位だ。だから俺達は、あれが監督だと確信してしまっていた。


だが。車から出てきた人は監督では無かった。


「…違った。監督遅いな」

「おい、あいつグラウンドに入って来たぞ…!」


フィディオはその声に振り返ると、確かに、その人はこちらに向かっていた。白いスーツに身を包んだ金髪にサングラスの男性は、当たり前の様な顔をして平然とこちらに向かって来ていた。

ブラージが誰なのかを求めるが、全員が首を横に振り、「知らない」「さぁ?」などと口々に口を出す。


それからこちらに近づくあの男は、何と堂々とイタリア代表監督のベンチに座ったのだ。

これには、流石の彼らも驚き、一斉に男に駆け寄る。


「何方か知りませんが、其処は監督の席です。今すぐ退いて下さい」


フィディオが彼らを代表して言うのだが、男はフィディオの言葉を無視。その上腕を組み、脚も組んで見せ、何事も無かったかのように其処に座っている。

その行動が、彼らの怒気を誘った。


「そこに座ることが出来るのは、世界でたった1人、イタリア代表チーム・オルフェウスの監督だけです!」







「私は本日より就任したイタリア代表の新しい監督だ。」

***