二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アリスと兎の逃避行 (inzm/長篇小説) バトン発行!! ( No.298 )
日時: 2011/08/24 17:33
名前: さくら (ID: Rn9Xbmu5)
参照: 運命論


——04——



「・・・こ、虹彩・・・ッ!?」




嗚呼、なんて今日はこう、悪夢が続くんだ。

寧ろ、悪夢であって欲しい位だ。夢だったら良いのに。



「お、お前、何でッ!?」


『今日から此処なのよ、雷門』


「イタリアに居たんじゃ、」


『6年までは、ね、』


「え、なら今までの1年間は、何処に、」


『———ッ!!、』



“退いて”そう言って、無理矢理前に進み出ようとした私は、拓人の脚に脚を引っ掛け、前に倒れそうになる。

・・・と、それを目の前の拓人が受け止める。



「強気の癖にそそっかしいのは変わらないな、良かった、」


『だっ・・・!離して、離しなさいよッ!!』



胸辺りに巻き付いた拓人の手を自力で無理矢理引っぺがそうと、ジタバタ騒ぐが、昔と全然違う、締め付ける腕力に不覚にも顔中に熱が集中する。

あんだけ私らしくない、取り乱して騒いだのに、全て水の泡なんて、恥ずかし過ぎるにも程がある。



「ちょ、っと・・・、あんまり騒ぐな、って!」

『う、五月蝿い!!早く、離しなさいよ!』


一層弱まる事の無い、後ろから抱きつかれた感じの私と拓人に、一層顔が赤くなり、今度は無茶苦茶でも力が入った自慢の腕力で、拓人の腕を振り払い、一方的に走り出した。


恥ずかし過ぎたのと裏腹にちょっと、ちょっとだけ嬉しかったなんて、本人の前では言える筈が無い。

忘れよう、知らない知らない。

***