二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: アニメ沿い 『ムゲン・ザ・ハンドを超えろ!』 ( No.36 )
- 日時: 2011/03/29 11:34
- 名前: さくら (ID: kEC/cLVA)
『ぅあっ!?』「うわぁッ・・・!?」
私はブツブツと呪文のように独り言を吐き出しながら辺りをぐるぐると廻っていると、近くの路地裏から出てきた誰かと勢い良く衝突した。
私は勢いで紙袋を全て落としてしまい、私もバランスを崩して倒れてしまった。・・・が。地面に倒れる前に誰かに腕を引っ張って貰っていた為、尻餅をつく事は無かった。
「だ、大丈夫!?」
『———いったあ、あ、有難う御座いました・・・、』
「どういたしまして。って僕が言えるのかは分かんないけど・・・。・・・・・はい!」
そういって私が落とした紙袋を全て持ち私に差し出してくれた。な、何でそんなに軽々と・・・!!!
私がお礼を言い、紙袋を二つ貰うと「あ、残りは僕が持つから良いよ?」と言ってまた軽々と持って歩き始めた。
「君、名前は何て言うの?」
『人に名前を聞く時は、まず自分から名乗るものじゃないの?』
「ははっ ごめんごめん。僕、ロココ・ウルパ。ロココって呼んでよ。」
『私は清野サクラ。またの名をサクラ・カーライト。サクラって呼んでね。』
「え、サクラって名前二つもあるの?」
『うん、まぁね。イタリア出身で幼い頃はイタリアに住んでたからね。でも日本人だよ?』
それから、他愛も無い話で盛り上がった。ロココはサッカーが大好きならしく、コトアール、という国の代表らしい。サッカーの話で盛り上がったが、ロココはコトアール代表位しか自分の事を教えてくれなかった。
でも、やはりサッカーなど、他いろいろな話で盛り上がり、気付いたら日本エリアの宿舎の近くまで来ていた。
『もしかして、ロココ。送ってくれてたの?』
「あれ?気付かなかった?・・・サクラ迷ってたみたいだったからさ、」
『ありがとっ!!!』
私はロココの何処と無い優しさがつい、嬉しくなり、それにその時のちょっと赤くなったロココが可愛くて、つい勢いに任せてロココに抱き付いた。
「・・・・・・・・・・・え。」
『ん? あッ!!ごめん、癖なんだ・・・、』
『あちゃーw』とやっちゃったという表情を浮かべロココを見ると、さっきより顔が赤くなっていたような気がした。ごめんね。
「いいよ。良くある事だからさ!!」
『よ、よくある・・・?』
私はロココがどんな私生活を送っているのか、それともロココの性格が元なのか、ロココの生活と性格をちょっと疑った。
ロココの性格は、さっきの他愛の無い話で分かった。ロココは簡単に言うと、あれだ。兎の皮を被った黒豹だ。思いっきり腹黒なのだ。優しい所も勿論あるけど。
『・・・この男。侮れない。この腹黒男め。』
「ん?サクラ何か言った?」
ロココには聞こえないように、特に最後の方は、絶対に聞こえないように言ったのに、ロココは全部聞こえてましたとも言わんばかりにドス黒い笑みを見せながら笑っていた。こ、怖い。
『あ、付いた。』
「残念だね。折角楽しかったのに。」
その言葉は本当は二つの意味があると私は確信すると同時に、意味不明な寂しさがひしひしと伝わってきた。私も、一つの方の意味で楽しかったのだろう。
そうだ。ロココに会いに行けばいいじゃないか。ロココと同じチームの人たちとも仲良くなりたいし。可愛い子に会いに行くんだ。コトアール代表ならきっとコトアールエリアに居るはず。今度遊びに行ってみようかな。
私はバイバイとロココに手を振り、有難うと叫んだ。腹黒ロココでも、優しい所はある。ロココも手を振り替えし、どういたしまして、楽しかったー!と言ってくれた。
私にまた一人、大切な友達が増えたようだ。今度遊びに行こう。
***